鮮烈なる初防衛

本日、後楽園ホールWBC世界ミニマム級タイトルマッチが行われ、王者の井岡一翔が同級一位の指名挑戦者、メキシコのフアン・エルナンデスを下して初防衛に成功しました。


http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/box/news/20110810-OHT1T00219.htm

井岡、攻め続けて初防衛…WBC世界ミニマム級

◆プロボクシングWBC世界ミニマム級タイトルマッチ(12回戦) ○王者・井岡一翔(判定3―0)同級1位・フアン・エルナンデス

(10日、後楽園ホール) 2月に日本選手として最短記録となるプロ7戦目で世界王座を獲得した井岡一翔(22)=井岡=が、世界初挑戦のエルナンデス(24)=メキシコ=を判定で下し、初防衛に成功した。戦績は井岡が8戦全勝(5KO)、エルナンデスが20戦18勝(13KO)2敗となった。


 立ち上がりはやや硬さも見られた井岡。積極的に前に出てくる挑戦者の左フックをもらう場面も見られたが、2回以降は井岡も手数を増やし、相手をよく見て的確にパンチを当てた。4回には激しい打ち合いもあり、この回終了時の途中採点では、3人のジャッジが39―38、39―37、39―37でいずれも井岡リードの採点も、一進一退の状況が続いた。


 中盤に入っても互いに手数を出しながら決め手を欠いたが、7回には挑戦者が鼻から出血。以降はやや苦しい表情を見せる挑戦者を、井岡が追い回す展開となり、8回終了時の途中採点は79―74、78―74、78―74で、引き続きジャッジ全員が井岡を支持。終盤10回には、挑戦者の逆転を狙うパンチで右目の上をカットしたが、執ようなボディブローで相手を後退させると、最終ラウンドも攻め続けて逃げ切った。

挑戦者は速いパンチとフットワークの持ち主で、とくに右アッパーには怖さがありましたが、井岡は巧みにプレッシャーをかけつつリングを支配し、キレのあるジャブで挑戦者に大量の鼻血を出させます。これで呼吸の苦しくなったエルナンデスに、得意のボディブローで追い討ちをかけ、何度かダウン寸前に追い込んで文句なしの判定勝利となりました。ランキング一位の指名挑戦者を相手にして、それにふさわしい内容のすばらしい試合でした。


それにしても、試合を実況したTBSのアナウンサーは、まるでなってませんでしたね。やたらと井岡が試合前に語っていた意気込みを繰り返すばかりで、リングの上で何が起こっているのか伝えようという気がさっぱり伝わってきません。スポーツ実況ってのは選手のイイ話を伝えるのが仕事じゃないんだからさぁ。そういうのはバラエティ番組なり、試合が終わってからのスポーツ番組なりでやってくれよ。


いま日本のテレビ界では、ボクシング世界戦中継はTBSと日テレがほとんどを占めていますが、実況に関しては日テレが確実に勝ってますね。それでも、WOWOW高柳謙一ジョー小泉浜田剛史の鉄壁トリオにはまったく及びませんけど。


日本人ボクサーの試合で次に注目を集めているのが、10月1日にラスベガスで行われる、西岡利晃WBC世界スーパーバンタム級防衛戦。相手は歴戦の強豪、ラファエル・マルケス(メキシコ)です! もと二階級制覇王者で、イスラエル・バスケスとの四度にわたる激闘はファンに鮮烈な記憶を残している選手であり、兄のファン・マヌエル・マルケスともども世界的にも人気の高い相手だけに、応援にもグッと力の入るところです。これは大注目! そういえば8月31日には、日本人初の三階級制覇王者を名乗るなんとかいう人(名前は忘れた)がどっかでなんかやるそうですが、まぁ見る必要はないです。