愛と誠のファンタジア

三池崇史監督の映画版『愛と誠』を観てきたッス。

『愛と誠』は、梶原一騎の悪いところがフルに発揮された作品で、ヒロインにほとんど人間性を認めずにひたすら無償の愛と忍従を求める姿勢がイタくて仕方ないのですが、三池崇史は、ヒロインの早乙女愛単なるバカのように描くことで、キャラクター造形のイタさを抑えておりました。

これ、武井咲にとってはすでに黒歴史でしょうね。


高校生役に48歳の伊原剛志をキャスティングしたり(「おっさんにしか見えない病」にかかっているという設定)、安藤サクラを徹底的にブスとして描く悪ノリもすごい。ものすごい怪演でした。妻夫木聡武井咲を助けに行くクライマックスの場面は、人質と監禁犯の裏番長が主人公の意志を無視して勝手にやり合い、2人のボケに妻夫木くんがひたすらツッコむというお笑い場面になっておりました。


ラストの唐突さは、長大な原作をコンパクトに収めるための処理としてまぁ許容範囲でしょう。砂土谷峻とか出してたら収拾がつかないもんなぁ。


女性相手でも暴力描写では容赦しない三池監督ですが、今回はこども店長こと加藤清史郎にも喧嘩をさせており、子どもにも容赦しない三池監督の、妥協しない姿勢が見られました。

こども役者

こども役者