園さん、いつものやつ!
- 作者: 古谷実
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/12/20
- メディア: コミック
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ただ、『ヒミズ』ではなにかというと主人公の前に単眼の化け物が出てきて、精神を追い詰める(というか、追い詰められた主人公の心理を象徴する描写として化け物が現れる)のですが、映画版では出てきませんでした。
映画の内容は、要するに園子温版『荒川アンダーザブリッジ』みたいなもんです。いや『荒川アンダーザブリッジ』読んだことないけど。たぶんそんな感じ。
荒川アンダー ザ ブリッジ 1 (ヤングガンガンコミックス)
- 作者: 中村光
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2005/07/25
- メディア: コミック
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んで、ホームレスは渡辺哲に諏訪太郎、吹越満と神楽坂恵の夫婦、住田に恋する同級生の茶沢(二階堂ふみ)の母親は黒沢あすか、そしてヤクザの親分はでんでん。完全に『冷たい熱帯魚』同窓会といった感じです。
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2011/08/02
- メディア: Blu-ray
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映画の内容はほとんど語ってない気がしますが、要するにいつもの園子温作品です。女の子が詩を大声で暗誦する場面があって、狂騒的な殺人場面があって、たくさんのロウソクに火を灯す場面があります。『冷たい熱帯魚』が楽しめた人ならこちらも楽しめると思います。ヒロインの二階堂ふみも、個性的な顔立ちと存在感が際立っていていいです。園子温監督は、ヒロインの魅力を引き出すのが意外に上手いんですよね。普通の監督とはかけ離れた手法ではあるけど。今回のヒロインも、殴られ蹴られ、川原を転がされ、川の水に漬けられと狼藉の限りを尽くされていますが、そうしているうちに、魅力的に見えてくるから不思議なものです。
ラストは原作から反転していますが、化け物の存在を省いたのと、主人公の人生にこれからの日本(震災から立ち直ろうとしている)を重ね合わせたためにこうなったのでしょう。個人的には、この映画に震災を重ね合わせる必要はなかったと思うんだけどなぁ。