ワッシュ的2011年の映画回顧

さて、今年の映画ベストテンをみんな発表しているようですが、なにしろ今年のぼくはいろいろ大変で、ほとんど映画を観ていないのでとてもベストテンを選ぶどころではありません。『猿の惑星 創世記』も『スーパー!』も『ランゴ』も『タンタンの冒険』も『ゴースト・プロトコル』も『ミッション:8ミニッツ』も『エンジェル・ウォーズ』も『ブリッツ』も『孫文の義士団』も『イップ・マン』も『モールス』も『キャプテン・アメリカ』も『ブルーバレンタイン』も『悪魔を見た』も『スーパー8』も『インモータルズ』も『ピラニア3D』も『トランスフォーマー』も『X-MEN』も『リアル・スティール』も『トゥルー・グリット』も『もしドラ』も『127時間』も『ゴーストライター』も『塔の上のラプンツェル』も『モテキ』も『マイ・バック・ページ』も『アジョシ』も『ハラがコレなんで』も『けいおん!』も『マネーボール』も『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』も『メタルヘッド』も『アザー・ガイズ』も『英国王のスピーチ』も『宇宙人ポール』も、どれひとつ観ていないという体たらく。こんなんで「映画ベストテン」とかやってていいのかね。映画ブロガーとは名乗れないね。


そんな中で、ごくわずかに観ることのできた映画の中から印象的だったものをいくつか選びます。今の時点で本数がいくつになるかもわかりません! わりと適当に選んでます!

面白かった映画

はっきり言ってスケールの小さな話で、人間の真実が描かれているというほど深いドラマでもないし、斬新な映像も見られない作品なんですが、痒い所に手が届くというか、演出の配慮が行き届いた、全体的に「ちょうどいい」映画でした。

宇宙船別冊 電人ザボーガ― (ホビージャパンMOOK 421 宇宙船別冊)

宇宙船別冊 電人ザボーガ― (ホビージャパンMOOK 421 宇宙船別冊)

大きな期待をせずに観にいって、大きくない期待がそのまま叶えられた映画です。井口昇監督だし絶対にしょうもないぞ、と思っていたら本当にしょうもなくて、絶対ムダに原典に忠実だぞと思っていたら本当に原典に忠実で、中年オタクにだけウケればいいという開き直りに好感が持てました。

キック・アス DVD

キック・アス DVD

アメコミに比較的うといぼくにも理解できた、英国人監督ならではのヒーローに対するシニカルな視点が楽しい作品でした。みんなが夢中になったヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)より、チョイ役の仲里依紗そっくりな女の子のほうがぼくの好みでした。

冷たい熱帯魚 [Blu-ray]

冷たい熱帯魚 [Blu-ray]

でんでんや渡辺哲のハイパーアクティヴなアッパー系イイ顔オヤジぶり、尊厳を踏みにじられまくる吹越満、ふんだんに飛び散る血のり、園子温監督お得意のキリスト教モチーフ、映画全体にみなぎるブラックなユーモアと世間の良識を挑発する悪意、そして神楽坂恵マーベラスきわまるおっぱい。映画に求めるすべてがここにある! 一発で元気になる刺激剤としての威力はピカ一の映画ですが、問題は元気なときでないと観る気にならないことです。

男はみんなナタリー・ポートマンにセクハラしたがっている、という前提のもとにひたすらタリポーがセクハラされまくって、ついにキレる映画。小難しい理屈をすっ飛ばせば要するにそういう話です。

リトル・ランボーズ [DVD]

リトル・ランボーズ [DVD]

子どもががんばる映画を観ていい気分にならないような、そんな大人にならずに済んだことが嬉しい。自分にそういう感受性が残っていることを喜びたい。

極悪レミー OVERKILL EDITION(初回限定生産) [DVD]

極悪レミー OVERKILL EDITION(初回限定生産) [DVD]

まぁレミーはもうメタラーにとって縁起物ですから、レミーが動いて喋っているというだけで充分です。

ケレンの効いた演出ながら、実は思春期の通過儀礼を描いた青春映画の傑作。少なくともオレはそう観たね! あと女性陣がみんなキュートでたまらんね!

ジェシー・アイゼンバーグ非モテ演技と、ジャスティン・ティンバーレイクの強烈な胡散臭さ(世界的に見ると猪木の次の次ぐらい)がいいコントラストで、祭りの後の寂しさもいい感じの、アッパー系の主人公ながらしみじみ系の映画でありました。

  • 八日目の蝉

原作にあった放火を省略したことで、ヒロインと家の関係性を映像で上手く描いてあったと思います。あと小池栄子がぜんぜん巨乳に見えなかったのが驚きでした。一流の武道家なみに気配が消えてました。

ん……だった映画

ムカデ人間 [DVD]

ムカデ人間 [DVD]

正直いってね、このワンアイデアだけで一時間以上もたせるのは無理ですよ。昔のスラッシャー映画にあったような、ゆる〜い時間が流れる非常にダウナーな映画で、葉っぱでもキメて観れば楽しいでしょうけど、シラフではちょっぴりキツかったです。

アンチクライスト [Blu-ray]

アンチクライスト [Blu-ray]

最初から最後まで「何がしたいねん」としか言いようがない映画でした。ラース・フォン・トリアー監督はもうしばらく療養したほうが身のためだと思うなぁ。ただダンナの脚にドリルでどりどり穴を空けるところだけはよかった。ていうかお前「ドリルでどりどり」言いたいだけちゃうんか、と言われたら返す言葉もございません。

男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW【DVD】

男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW【DVD】

途中まではわりとちゃんと観たんですよ。わりとちゃんとしてたんですよ。朝鮮半島の分断と兄弟の確執もしっかり描かれていて、ドラマ的にはオリジナル以上にシリアスだったんですよ。でもあのラストだけはどうしても納得がいかねえんです!

恋の罪―愛にさまよう女たち (リンダブックス)

恋の罪―愛にさまよう女たち (リンダブックス)

三人の女性がひたすらセックスに悶々とする映画。いやババアも入れて四人か。でも水野美紀が完全にドラマから切り離されていて、単にアンジャッシュの児島に言葉責めされるだけなのでこいついらなくね? という疑念が最後までぬぐえませんでした。ただし神楽坂恵のハイリハイリフレハイリホーなおっぱいだけはゲップが出るほど楽しめます。ていうか劇中で作られてる神楽坂恵主演のAVが見たいです。たぶんオレは世界で園子温の次に神楽坂恵が好きな男だと思います。

わりとどうでもいい映画

     _人人人人人人人人人人人人人人人_
     >      わりとどうでもいい       <
      ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

               ヘ(^o^)ヘ 
                  |∧   
                 /

そもそもね、勘違いしてる人も多いですけどワイルド7はB級漫画なんですよ。だから映画化といっても変に構える必要はなくて、バイクがブーンと走って両国のミサイルがバゴーンと爆発して飛葉ちゃんのウッズマンがBANGと発射されれば、それでいいんですよ。絶体絶命のピンチに陥るも、最後は草波隊長がなんとかしてくれればドラマ的にはそれで充分なんですよ。世界が死んでユキが加入するのはみんな知ってることなんですよ。ただお色気の欠如だけはいかんともしがたい!

あしたのジョー スタンダード・エディション [DVD]

あしたのジョー スタンダード・エディション [DVD]

だいたいやね、声が小さくしかも声質がこもり気味な山下智久が、あの饒舌な皮肉屋のジョーを演じるという時点でハンデ戦ですよ。自分だけまわし締めて素っ裸の相手と相撲とるようなもんですよ。それを補うには、香川照之に過剰なまでのコスプレをさせ、伊勢谷友介に過剰なまでの役作りをさせ、マンモス西に少年院の時点で鼻からうどんを出させるぐらいの気合が必要ってもんなんですよ。葉子の出自を改変した意味はわかんないけど。


まぁなんだかんだと言っても、今年もいい映画を何本も観ることができました。来年はもっと観たいんですけどねぇ。仙台では有力だったシネコンがいまだに営業再開してないので(付属のパチンコ屋とボウリング場はオープンしてるのに!)来年も、仙台でだけ観られない映画が何本もあるだろう、そう思うと自然に奥歯が「ぐぬぬ…」ときしむのです。