つながろうニッポン
テレビを見ていると、ACのCMで、サッカー選手やSMAPといった国民的スターたちが「日本はひとつ」というメッセージをやたらと発していますが(それにしても、5人中2人に逮捕歴がある国民的アイドルってつくづくすごいよなぁ)現実は厳しいなあ、と。
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110414k0000m040137000c.html
南相馬市の小学生の兄弟のケースは、避難者の受け入れ活動に熱心な船橋市議の一人が把握し、市教委に指摘した。市議によると兄弟は小5と小1で、両親と祖父母の6人で震災直後船橋市内の親類宅に身を寄せ、4月に市内の小学校に転校、入学する予定だった。
兄弟は3月中旬、市内の公園で遊んでいると、方言を耳にした地元の子供たちから「どこから来たの?」と聞かれた。兄弟が「福島から」と答えると、みな「放射線がうつる」「わー」と叫び、逃げていった。兄弟は泣きながら親類宅に戻り、両親らは相談。「嫌がる子供を我慢させてまで千葉にいる必要はない」と考え、福島市へ再び避難した。
これはいくら子どものこととはいえ、許せないなぁ。素朴な無知からくる反応じゃないよ、どう見ても。相手がいちばん傷つく言葉を選んでの、悪意としか思えないよ。この子どもたちに必要なのは、放射能に関する正しい教育以前に、人を傷つけて楽しむのはいけないことだと教えるのがまず第一だと思いますね。
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(↑ちなみに、このコマはゲンの姉が「非国民」と侮辱されたときのもので、「ピカの毒がうつる」は政二さんがギギギと血を吐いたときである)
そして、川崎市では大人もこんな反応を。
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041301001033.html
福島ごみ「受け入れるな」 川崎市に市民ら苦情2千件超
川崎市の阿部孝夫市長が福島県などの被災地を7、8両日に訪れた際、災害廃棄物処理の支援を表明し、川崎市民らから「放射能に汚染されたごみを受け入れるな」などの苦情が2千件以上寄せられていることが13日、市への取材で分かった。担当者は「汚染ごみは運べるはずがない」と説明、対応に追われている。
川崎市は2007年の新潟県中越沖地震でも、柏崎市の粗大ごみを鉄道輸送で受け入れ、無償で焼却処理した実績がある。今回も阿部市長は福島、宮城、岩手の3県などに支援を申し出たものの、ごみの量が桁違いに多く単独で処理できないため「国主導で支援したい」(処理計画課)と、計画は白紙状態だ。
ところが8日以降、同課への電話や市長へのメールで「絶対に福島からごみを受け入れるな」「(福島市出身の)市長の売名行為だ。リコールする」などの苦情が殺到。「川崎市民だけの問題ではない」と、埼玉や千葉県、米国からも反対意見が相次いでいるという。
ネット掲示板「2ちゃんねる」やツイッターでも話題に上っており、「小さい子どもがいて不安」といった、女性からの訴えが大半を占めるようだ。担当者は「行政不信に陥っているようだが、これでは復興の妨げになる」と困惑している。
まぁ2ちゃんねるで「女性からの訴え」ってのは「私女だけど」の類いではないかと思いますが、放射能ってのはホントに正しく理解されてないんですねぇ。
ちなみに、実際に放射性物質に汚染された可能性のある瓦礫については、扱いが定まっていないようです。
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110414dde001040002000c.html
東日本大震災:福島第1原発事故 原発周辺、がれき放置 汚染可能性、一般業者扱えず
◇現行法の想定外
東日本大震災による東京電力福島第1原発の事故が、がれきの処理に影を落としている。原発周辺では、いまだに津波によるがれきが大量に放置されており、放射性物質による汚染が懸念されている。【渡辺暢】
地震や津波で発生したがれきは「災害廃棄物」と呼ばれ、通常は廃棄物処理法に基づいて市町村が処理する。ただ、東日本大震災ではあまりに膨大なため、国が費用を全額負担する方針だ。
しかし、福島県産業廃棄物課の担当者は「放射性物質で汚染されたものは災害廃棄物として扱えない」と指摘する。廃棄物処理法の条文に「放射性物質及びこれによって汚染された物を除く」とただし書きがあるためだ。
同県産業廃棄物協会の木村光政事務局長は「現段階では我々には扱えない。汚染を拡散させたくはない。放射線量の安全基準を決めてほしい」と話す。
一方、放射性廃棄物の扱いを定める原子炉等規制法は、原子力事業者から出たものだけが対象だ。原発の外の廃棄物が汚染されるケースは、そもそも想定されていない。
経済産業省原子力安全・保安院は「放射性廃棄物として扱っていいのか分からない」と困惑する。
同院には、がれきの処分について廃棄物業者などからの問い合わせが相次いでおり、「ひとまず安全に保管するよう指導している」(放射性廃棄物規制課)という。
法のはざまで、汚染されたがれきの処理が滞ることが懸念されるが、似たケースは既に起きている。
今月4日、青森市の産業廃棄物処理施設に搬入された牛の肉骨粉から1時間当たり最大0・16マイクロシーベルトの放射線が検出された。青森県環境政策課によると、この肉骨粉は、福島など東北6県から搬入された死亡牛を八戸市の工場で処理したもの。同課は原発の影響と推定しているが、取り扱いを定めた法令がないため、当面は業者が保管せざるを得ないという。
環境省の推計では、震災で発生した福島県内のがれきの量は、建物のみで290万トン。汚染されたがれきの扱いについては関係省庁で協議が続いているが、結論は出ていない。
いずれにせよ、汚染がれきが川崎市に持ってこられることはないようですね。
それにしても、こういうニュースが全国に報道されれば、船橋市とか川崎市のイメージが悪くなるとは思わないのかなぁこの人たち。千葉県だって、震災直後のコンビナート火災のときは「有害物質の雨が降る」というデマにさらされた経験があるはずなのに。
ちなみに、ぼくが船橋市に対して持っているイメージというと「競馬場」「オートレース場」そして「柳原可奈子」(がコントで演じる女子高生キャラ)ぐらいでどうも柄のよくない印象だし、川崎市に至っては『野望の王国』と平山夢明先生に植えつけられた印象があまりに強烈で、拭いきれません。
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(id:doyさんにお詫びを申し上げて、このエントリの締めといたします)