西部戦線異状なし

警察の発表によると、暴走族の構成員数は減少の一途をたどっており、最盛期の5分の1程度まで減ったとのこと。


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110210/dst11021010070001-n1.htm

全国の暴走族、初めて1万人切る 上下関係や「おきて」の厳しさ敬遠

 昨年1年間で全国の警察が把握した暴走族の構成員数は9064人で、統計を取り始めた昭和50年以降で初めて1万人を下回ったことが10日、警察庁のまとめで分かった。グループに属さないケースが増え、実態の把握が難しくなっているという。

 警察庁によると、構成員の数は昭和57年の4万2510人をピークに減少傾向にあった。構成員の半数以上は上下関係や「おきて」を嫌ってグループに加入せず、数台でのゲリラ的な暴走行為が目立った。暴走族のグループ数も昨年から76減り、507だった。

 一方で、平成14年から減少していた暴走行為への参加人数は1714人増加して3万6961人だった。警察庁は「摘発しても仲間の情報を持っていないケースが多く、実態がつかみにくい」と説明している。

そういえば、高橋ヒロシの『クローズ』にこんなエピソードがありました。

クローズ完全版 17 (少年チャンピオン・コミックス)

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甲斐という少年をリーダーとするプータロー集団が、鈴蘭高校や鳳仙学園、黒焚連合の生徒たちを相手に恐喝をはたらきます。甲斐は高校へ進学できなかったものの一度は真面目に働いていたのですが、職場の先輩たちから心ない嫌がらせを受け、家出して荒れた生活に身を投じていたのでした。


そして、鈴蘭の軍司にこっぴどく痛めつけられて逆上し、その行動はますますエスカレートします。不良少年を無差別に襲いはじめ、武装戦線のメンバーも負傷させたため、この町のすべての不良グループ(および警察)から狙われることになってしまいました。


追い詰められ、廃墟に身を隠した甲斐のもとを、幼なじみで武装戦線の幹部である柳が訪れます。彼は甲斐に報復しようとするリーダーの武田をおさえて、説得にきたのです。


しかし、自暴自棄になっている甲斐はその説得を受け入れず、柳を鉄パイプで殴り倒して、外にいる武田たちの前に現れます。柳の友情を裏切ったその仕打ちに武田は激怒し、鈴蘭のゼットンや鳳仙のキングジョーたちが見守る前で、甲斐に容赦ない鉄拳制裁を加えるのでした。


こうして制裁を受け、警察に逮捕された甲斐でしたが、武田の鉄拳が心に響いたのか、鑑別所を出てからは武装戦線の新メンバーとして立ち直ったのでありました。

……それ、更生してねえだろ。単に別の不良グループに加わっただけじゃねえかよ!


と、読んだときは思ったものですが、団体に所属したことで警察がその実態を把握しやすくなった、という点では、更生に一歩近づいたといえるのかもしれません。作中の武装戦線がはたらく不法行為といえば、せいぜいノーヘルでバイクに乗るぐらいのもので、カタギには迷惑をかけない団体ですしね。