悪魔のようなあいつ
FBIが「ウサマ=ビン・ラディンの現在の顔」として公開した予想画像が、スペインの議員の写真を無断で加工したものだったとのこと。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2010011890112811.html
FBI、ビンラディン容疑者写真にスペイン政治家の顔を無断合成
米連邦捜査局(FBI)が作成してインターネットのサイトで公開した国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者の現在の顔の想像図が、スペインの政治家の顔写真を勝手に素材に使った合成写真と判明し、米国側はサイトから削除した。16日付のスペイン紙エルムンドが報じた。
問題の想像図は、FBIが14日に公開。ビンラディン容疑者の顔の特徴を科学捜査の担当者が最新のデジタル技術で分析したとのふれ込みだった。従来の写真と比べると、ひげやこめかみに白髪が増え、目つきの鋭さや肌の張りが失われている。ターバンと長いあごひげがない想像図も作成した。
同紙によると、FBIの担当者は、一般的な検索サイトを使って容疑者に人相が似た写真を入手。髪の毛と額の部分を合成写真に利用した。FBIのプログラムを使ったモンタージュ写真の出来が悪かったのが動機という。
顔を“盗用”されたのは、スペイン左派の有力者ガスパル・リャマサレス氏で、もともと反米の言動で知られる。
「生活が脅かされた。米国の安全保障の技術もたかが知れている」と激怒しているという。
「一般的な検索サイトを使って」って、画像検索でググって見つけたんでしょうかFBIが。手抜きだなぁ。
ちなみに、これがFBIの公開した「予想図」。
で、モデルになったリャマサレス議員はこちら。
頭の部分はそのまんまですね。でもそんなに似てるわけでもないと思うけどなぁ。
このニュースを聞いて、ぼくが思い出したのが、わが国の三億円事件です。
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1968年12月10日、東京都府中市で、東芝府中社員へ支給されるボーナスを運ぶ現金輸送車が、白バイに乗ったニセ警官によって言葉巧みに奪われ、2億9434万円が持ち去られるという空前の大事件が発生しました。
この事件は、現場に大量の遺留品が残されていたこともあって早期解決が予想されましたが、証拠品はいずれも大量生産されたもので手がかりにはならず、焦った捜査当局は、犯行から11日後に犯人のモンタージュ写真を公開します。
若い男が白バイのヘルメットを被った有名なこの写真ですが、実は、この事件の1年半前にすでに亡くなった人物の、銃刀法違反で逮捕されたときの写真をそのまま加工したもので、モンタージュでもなんでもないお粗末なものでした。
しかも、目撃者の証言によって選んだものではなく、犯行直後に容疑者として浮上した人物(白バイ隊員の息子で、事件の5日後に服毒自殺した。この死にも謎が多いとされる疑惑の人物)に似ている写真を使ったものだったので、警察は最初から予断を持って捜査していた、という批判は免れません。この写真はその後74年に正式に破棄され、事件は迷宮入りとなって1975年に時効を迎えました。
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ちなみに、頭脳警察は現在、復活して活動中ですがその公式サイトのトップページは、ヘルメットの男の顔がパンタとトシに変わるというデザインになっています。
リャマサレス議員も、「ふざけるんじゃねえよ、テロリストじゃねえんだぜ」とFBIに言ってやりたいことでしょう。
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