猪木の異常な愛情

我らが燃える闘魂アントニオ猪木北朝鮮を訪れたとのこと。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090907-OYT1T00958.htm

アントニオ猪木さん訪朝、建国記念式典出席か

朝鮮中央通信によると、猪木寛至アントニオ猪木)氏が7日、平壌に到着した。


 同通信は、北朝鮮の建国61年(9日)にあたって、ロシアのタス通信の一行や猪木氏一行が到着したと報じた。

 猪木氏は2004年9月、第1回国際武道競技大会に参加するため訪朝したことがある。1995年2月にも、平壌で開かれた現在総書記の金正日氏の誕生日関連行事に出席している。

 猪木氏が運営するイノキ・ゲノム・フェデレーションによると、猪木氏は7日、建国記念日の式典出席のため北朝鮮に向かった。12日に帰国予定という。

アントニオ猪木は、師匠の力道山北朝鮮出身であるという縁から過去に何度も訪朝したことがあり、中でも有名なのが1995年4月の「平和の祭典」です。


平壌メーデー・スタジアムに二日間で38万人の観客を集めた(文字通りの「動員」である)このイベントでは、猪木vsリック・フレアーという名人芸としか言いようのない試合が行われ、猪木晩年の名勝負の一つとしてファンの記憶にとどめられていますが、他にもグッとくるエピソードが満載で、原田久仁信の筆で劇画化もされています。

プロレス 暗夜行路 (別冊宝島1648 ノンフィクション) (別冊宝島 1648 ノンフィクション)

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『プロレス暗夜行路』に収録されている「平壌の冷たい夏」は、ゴマシオ永島やミツオ御小やグッハッハ福田らおなじみのメンバーが登場。ゴマシオは例によってお米(お金のこと)で苦労しながら(このイベントのためゴマシオとミツオはグッハッハから2億円の資金を借り、その大赤字のため一時は責任問題になったが、この年の秋にUWFインターとの対抗戦アングルが大成功し、完済にこぎつけた。このときの成功体験がのちのWJプロレス旗揚げにつながるのだが、それはまた別のお話)、猪木とともに平壌を訪れ、北朝鮮ナンバー3の高官である朝鮮労働党書記の金容淳氏(2003年に交通事故で死去)と会談します。


この会談がまたサイコーで、猪木は金書記からの質問はテキトーな生返事でごまかしつつ、「日本にミサイルが向いているというのは本当ですか?」と、いきなり核心に踏み込んだことを口走ってゴマシオを慌てさせます。


金書記が「日本国がおかしなことをしなければ何も心配はないのですよ」と老獪な返事をすると、猪木は不気味な笑みを浮かべつつ、


「実は、日本のミサイルも共和国に向いていますッ!」


という爆弾発言をかまします。これにはゴマシオも金書記も


( ゚д゚)ポカーン


となりますが、猪木は少しも動じず、

共和国の女性はみな美人揃い!
日本男児股間のミサイルは、みなこちらに向いていますッ!!

と、お得意の下ネタをかまして金書記の笑いを誘い、ゴマシオも「さすがだ! イノキ! 一撃で相手の心をつかみやがった! どんな大臣にもできねえ芸当よ!」と梶原一騎調で感嘆するのですが、これ国辱発言ですよねぇ。
北朝鮮の女性に対するセクハラ、という批判はまぬがれないところでしょう。その土地の女性を、共同体の持ち物であるかのように考えるマチズモ的な発想がこの発言の裏にはあると思われるのですが、まぁ猪木だからということで、フェミニストの方々には目をつぶっていただきたいものだと!