ウルトラマン夕陽に死す

二宮ひかるの『シュガーはお年頃』3巻を読みました。

シュガーはお年頃 3 (ヤングキングコミックス)

シュガーはお年頃 3 (ヤングキングコミックス)

やはり、ヒロイン(表紙の、メガネかけてない方)が「中学時代に売春していた元ヤン」という設定は掲載誌(ヤングキングアワーズ)的にそぐわなかったのか、ドラマが充分に動かないまま打ち切りっぽく終わってしまいました。というか、ヒロインが殺されてどっかに埋められて(と、作中でほのめかされる)死体も出ないまま終わるというのは、常識では考えられないほどの鬱エンドだと思います。なんとかさわやかな読後感を出そうと作者も頑張っていますが、うーん、無理があるなあ。


んで、3巻にはようやくえっちなシーンも出てきます。


主人公のケイコ(表紙の、メガネかけてる方)は、失踪した親友のアサミ(メガネかけてない方)を探しに、アサミに恋する同級生の本田と出かけるものの豪雨に遭い、服を乾かすためにラブホテルに入ります。


んで、ケイコがあまりにふて腐れた態度を取るのに業を煮やした本田が、強引に犯そうとするものの、やはり後ろめたいのかエレクチオンせず、未遂に終わるという、これまた不完全燃焼なエピソードではありますが。


いろんな誘い方があるもんだなぁと思わされました。


よく、「何もしないから」「寝るだけだから」とかいって女性をホテルに連れ込む偽草食系男子の話を聞きますが、「濡れた服を乾かすため」というのは新機軸ですね。


作中では、ケイコがシャワーを浴びている間に、本田がフロントに「コレ乾かしてください」と濡れた服(下着まで全部)を出し、ケイコはホテルに備え付けの寝間着(人間ドックみたいなやつ)を素肌に一枚だけ着て出てくることになります。これ、上手いやり口だなぁ。親切を装いつつ外堀を埋め、絶妙に逃げ道を塞いでますからね。肉食系男子は見習うといいと思うです。


ところで、あの人間ドック着(あれって何て名前なんだろう)って、なんでラブホテルによく置いてあるんでしょうね。そんなにリラックスできるとも思えないし、色っぽいわけでもないというのに。ビジネスホテルなら浴衣、シティホテルならバスローブ、そしてラブホテルなら人間ドック着、という住み分けがどこから生まれてきたのか、誰かくわしい人がいたら教えてほしいです。


そういえば、最近のラブホテルにはコスプレ衣装が置いてあったりしますが、ここでシャワーから上がったケイコが「これしかないんだけど…」とか言いながらナースとかフレンチメイドとかで出てきたら、完全にギャグになってしまうのでそれは避けたほうがいいですね。

ソフビ魂 怪獣標本4.0 ナース

ソフビ魂 怪獣標本4.0 ナース

(↑ナースっつったってこれじゃない)



昔、知人から聞いたエピソードなんですが。


思いを寄せていた女性と交際をはじめ、清く正しいデートを繰り返して愛と信頼を深めてゆき、そしてある夜に「今夜は泊まっていこうよ」と、二人は綺麗なラブホテルに入りました。


せっかくだから、と彼はロビーに並んだパネルの中から、いちばん値段の高いお部屋のボタンを押します。


緊張しつつも和やかな笑顔で、お部屋に入った二人。


ところが、彼も緊張していてお部屋の設備をよく確認していなかったのでしょう。その部屋はSMルームで、ベッドサイドでは真っ赤なライトが煌々ときらめき、壁際にはX型の拘束台がしつらえてあるという、とてもロマンチックとは言い難い場所だったのです。


DVD帰ってきたウルトラマン Vol.10

DVD帰ってきたウルトラマン Vol.10

帰ってきたウルトラマン』で、生ける屍となったウルトラマンをナックル星人が逆さ磔にする場面がありましたが、それみたいな拘束台の傍らで、それでも二人は懸命に愛を語り合ったのだそうです。涙なくしては語れないお話ですね。