インド人を右に

ぼくが10代から20代を過ごした1990年代は格闘ゲームの全盛期で、あまり得意でなかったぼくも、ご多分に漏れずストII春麗を使うことが多かった)とか餓狼伝説キム・カッファンを使うことが多かった)とかやってたものです。

で、当時のぼくは『KOF』などSNK系のゲームが好きで、カプコンのテイストはちょっと苦手でした。

ザ・キング・オブ・ファイターズXII - Xbox360

ザ・キング・オブ・ファイターズXII - Xbox360

そんなぼくが、このエントリを目にしまして。


ぜんぶ、ストIIのせい - 未来の蛮族


以前に、KOFのファッションセンスを「オタクのダサさの集大成」と評した「飲めヨーグルト」さんが、ストIIのキャラクターに込められた人種偏見的バッドテイストを論じたものです。


で、ぼくがこのエントリを読んで気付いたのが、SNKのセンスは良くも悪くもドメスティックなもので、カプコンのそれはアメリカナイズされたバッドテイストだったということ。


とくにエドモンド本田に顕著な、過剰なオリエンタリズムはいかにも「アメリカ人が勘違いしている日本」を日本人がシミュレートしている感じがよく出ていて(ああややこしい)わかりやすいし、ダルシムブランカについても、インドやブラジルへの悪意というより「おまえら外国ってこんなんだと思ってんだろ」というアメリカ人への悪意を感じるのはぼくだけではないと思いますがどうでしょか。


だって、ダルシムって全然インドっぽくないし、ブランカだって全然ブラジル人っぽくない(というか人間っぽくない)でしょ。他のキャラクターはまだ国の雰囲気が出てるけど。


「インド人」と聞いて、ダルシムみたいなのを思い浮かべる人ってあんまりいないと思うんですよね。ブラジル人だってそう。


では、「ブラジル人」と聞いて思い浮かべるのは誰の顔ですかみなさん。


ぼくの場合、最初に思い浮かぶのはなぜかロナウジーニョの顔です。

ロナウジーニョ写真集 (レジェンズガウチョ)

ロナウジーニョ写真集 (レジェンズガウチョ)

サッカーあんまりよく知らないし、彼の顔が典型的ブラジル人かどうかもよくわからないんですが、とにかく「ブラジル人=ロナウジーニョ」という方程式が、いつの間にかぼくの脳内で成立してしまっているんですね。


では、「インド人」の場合はどうでしょか。


ぼくがひそかに危惧していることなんですが、もしかして、もしかするとですよ皆さま。


日本でいちばん有名なインド人、いちばんインド人らしいインド人って、いまだにタイガー・ジェット・シンなのではないかと。

彫りの深い顔立ち、ヒゲ、マッチョな体つき、どれをとっても「典型的インド人」そのものだとぼくは認識しています。「インド人といえば」という浸透度でいえばマハトマ・ガンジーの方が上かもしれませんが、ガンジーの場合は人種的特徴より「ガンジー」という個人のインパクトの方が強いですからね。
ガンジー自伝 (中公文庫BIBLIO20世紀)

ガンジー自伝 (中公文庫BIBLIO20世紀)


このブログをご覧の皆さまは、「ブラジル人といえば」「インド人といえば」誰を思い浮かべますか?