ほしのこえ

冬は空気が澄んで星がよく見える季節です。都会では空が明るくてなかなか見えませんが、宮城県あたりだと、ちょっと仙台市と反対の方角を向けばそこはもう満天の星空です。


んで、代表的な冬の星座が、オリオン座。


メタル・マスター

メタル・マスター


特徴的な三連星のおかげで非常に見つけやすいこの星座。冬の大三角も、まずはオリオン座を探し、その右肩にあたる赤色巨星ベテルギウスを起点にしておおいぬ座シリウス*1こいぬ座プロキオンを結ぶことで見つかります。


また、シリウスプロキオン、ふたご座のポルックスカストル*2ぎょしゃ座のカペラ*3、おうし座のアルデバラン*4、オリオンの左足にあたる青色巨星リゲルを結ぶと六角形になり、こちらは「冬のダイヤモンド」と呼ばれています。


いずれにせよ、オリオン座と赤色巨星ベテルギウスは夜空のランドマークとして親しまれています。


そんなベテルギウスですが、コブクロに”ベテルギウス”という歌がありまして。


時の足音

時の足音

オリオン座の右肩に輝く ベテルギウスはもう無いと
知らずにぼくらは今日も見てる 500年前の光を
(以下略)

この歌は、何百光年も離れた星がすでに消滅していたとしても、何百年後にならないとそれを知ることができないように、恋人の心が離れてしまったとしてもそれに気付くことはできない、という、美しく物悲しい内容になっているんですが。

新海誠の『ほしのこえ』にも通じるテーマですね。こちらでは、送信したメールが届くのに8年かかる、という話だそうです(観てはいないのよ実は)。


んで「ベテルギウスはもう無いと」ってのはたとえ話かと思ったら、どうも、作詞の小渕健太郎さんは本気でベテルギウスはもう無いと思ってるらしいんですね。
ライブのMCでは、そう語ってるそうです。


ちょっと待てって!


超新星爆発の光がまだ到達してないのに、どうやって「もう無い」ってことを観測するんだよ!


それじゃあ、歌詞のテーマを作詞者本人が理解してないってことじゃないの。


たしか二年ぐらい前にそういうヨタ話がありましたが、小渕さんはそれを信じちゃったみたいですね。


で、この歌を真に受けて、本当にベテルギウスがもう無いと思う人もいるみたいなので、こういうのは天文学修正主義」とでもいうんでしょうか。(いいません)

*1:中国語では天狼星、この星を背負った『北斗の拳』戦士が泰山天狼拳のリュウガ。手刀が当たると寒くなる追加効果を持つ。ユリアの兄であり、ルックス的には精悍な短髪のブロンドで、デヴィッド・ボウイを彷彿とさせるものがあった

*2:英語でいうとポラックスとキャスター。ジョン・ウー監督の『フェイス/オフ』で、ニコラス・ケイジが演じたテロリストの名がキャスター・トロイで、刑務所にいる弟の名前がポラックスだったのはこれが由来である

*3:無敵超人ザンボット3』で、神ファミリーの先祖がガイゾックの侵略から逃れてきたビアル星は、カペラの第4惑星という設定であった

*4:聖闘士星矢』では金牛宮黄金聖闘士の名がアルデバランだった。美形の多い黄金聖闘士には珍しいガハハ系の巨漢で、豪胆な性格だったが星矢に聖衣の角を折られる。十二宮篇以降はかませ犬的な扱いで、活躍の場が与えられず、影の薄い黄金聖闘士であった