アミルスタン羊の二瓶のソースがけ
今年の五月ごろから、このブログのアクセス解析をすると
アミルスタン羊の二瓶のソースがけ
という語で検索してくる人が、一日に数人ぐらいはコンスタントにいます。
なんでそんな語で検索するのかなぁ、と思ったら、『クロノベルト』というエロゲの中にそういう台詞が出てきて、「知らない人は検索してみよう!」とまで言ってるそうなんですね。
クロノベルト -あやかしびと&BulletButlers クロスオーバーディスク-
- 出版社/メーカー: propeller
- 発売日: 2008/05/23
- メディア: DVD-ROM
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これは、学園青春恋愛伝奇バトルADV『あやかしびと』と、銃と魔法と執事と主のファンタジーADV『Bullet Butlers』(訳して『弾丸執事』)のクロスオーバー作品で、東出祐一郎というシナリオライターによる、ハードボイルドでジョン・ウー学校風味なシナリオが評判だそうです。
- 出版社/メーカー: ディンプル
- 発売日: 2007/09/20
- メディア: Video Game
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Bullet Butlers〜虎は弾丸のごとく疾駆する〜(1) (ガガガ文庫 (ガひ1-1))
- 作者: 東出祐一郎,中央東口,propeller
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/11/16
- メディア: 文庫
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んで、「アミルスタン羊の二瓶のソースがけ」ですが、前に取り上げたときはザックリしすぎてたので、今日はきっちり解説しておきます。
まずは「アミルスタン羊」。
- 作者: スタンリイエリン,Stanley Ellin,田中融二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/07/01
- メディア: 単行本
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主人公のコステインは、上司ラフラーに連れられて”スピローズ”というこじんまりとしたレストランに行きます。
”スピローズ”は、酒は料理の味を損なうとして飲み物は水のみ、テーブルには塩コショウなど調味料の類は一切なくタバコも禁止、メニューは日替わりのコース一種のみで問い合わせ一切不可、という海原雄山みたいな店ですがその美味は他の追随を許さず、コステインはこの店のとりこになります。
そしてある日、めったに出ないというこの店の最大の名物「アミルスタン羊」が供されました。
その味は、単に美味であるというのみならず、人がその心の奥底を見つめるような深遠なもので、コステインは陶然となりますが、ふと、いつも見かける常連客が来なくなっていることに気付きます。
そして、ラフラーはこの店の客にとって最大の栄誉である、キッチンを見せてもらう機会を得ます。それは、彼が長期出張に出かける前日のことでした。
悔しがるコステインの前で、シェフのスピローはラフラーの肉付きのいい肩に手をかけ、キッチンへと案内する…
そこでこの小説は終わります。意味はわかりますよね。
ちなみに、六本木には実際に”スピローズ”というレストランがあります。
http://www.spyros.jp/index.cgi
こちらはギリシャ料理のお店で、お酒も各種ちゃんと出ますし、アミルスタン羊は出ません。
そんでもって、今度は『二瓶のソース』
- 作者: アントニー・ウイン,江戸川乱歩
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1960/12/19
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ダンセイニは、アーシュラ・K・ル=グィンやH・P・ラヴクラフトにも影響を与えた幻想小説家として知られ、荒俣宏のかつての筆名「団精二」の元にもなった人ですが、江戸川乱歩が「奇妙な味」と評した推理小説の短編もいくつか書いています。この『二壜のソース』(創元推理文庫の本ではこの「壜」の字が使われている)は、中でも最も有名な作品です。
悪漢スティーガアとともに暮らしていた女性ナンシーが失踪し、その持参金も行方不明となりました。
スティーガアが殺害した疑いがきわめて濃厚ですが、死体が見つかりません。
ナンシーが失踪して以来、スティーガアはまったく外出もせず、日がな一日まき割りをして過ごしています。が、そのまきを何かに使った形跡はありません。
また、スティーガアはベジタリアンなのか野菜しか買わず、それでいて肉料理用の調味料「ナムヌモ・ソース」を二壜も買っています。
スティーガアにナムヌモ・ソースを売った、セールスマンのスミザースは、この奇妙な事件を同居人の素人探偵リンリイに話して聞かせ、彼の興味をひき、調査に乗り出します。
そして、現地の状況と、ナムヌモ・ソースは野菜料理にまったく合わないということを知ったリンリイは、ついにその真相にたどり着きました。
警部に「スティーガアはなぜ使いもしないのにまき割りをしていたのだろう」と問われたリンリイが、「ただ食欲をつけるためですよ」と答える、その場面でこの小説は終わります。意味はわかりますよね。
というわけで、「アミルスタン羊の二瓶のソースがけ」でした。おわかりいただけましたね?
- 作者: マルタンモネスティエ,Martin Monestier,大塚宏子
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2001/03/01
- メディア: 単行本
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