Happiness is a Warm Gun
今年7月に発売された新型のリヴォルヴァー型エアガンが、「改造すれば殺傷能力を持つ」として警視庁の摘発を受け、回収されたそうです。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081109-OYT1T00127.htm
新型エアガンに殺傷能力、800丁を警視庁押収
今年7月に東京都内の遊戯銃製造会社が発売した新しいタイプのエアガンが、本物の拳銃と同じ殺傷能力を持つことが警視庁の調べで分かった。
同庁はこの会社を銃刀法違反容疑で捜索し、約800丁を押収しており、同社の刑事責任追及に向け、社長ら関係者から事情を聞いている。すでに約1000丁が流通しており、警察当局は近く回収に乗り出す方針。改造されていないエアガンに、殺傷能力が認定されるのは異例。
問題の回転式拳銃型エアガンは「カシオペアタイプ」と呼ばれ、北区の「タナカ」が製造販売している。
同社によると、従来のエアガンは、本体にガスを注入するが、このエアガンは、薬きょうにガスを注入し、その圧力でプラスチック弾を発射する特別な仕組みになっている。発売直後からインターネット上で、「薬きょうの中に、ガスの代わりに火薬を詰めれば、殺傷能力がでる」などと書き込まれ、注目されていた。
こうした指摘を重視した警視庁は先月7日、同法違反容疑で強制捜査に踏み切り、約800丁と設計図などを押収。鑑定の結果、このエアガンは、強度を上げた薬きょうの中にガスの代わりに火薬を詰めると、金属弾を連続して数発発射することが可能になり、本物の銃と同様の殺傷能力があることが証明されたという。同社は捜索後、出荷を停止し、在庫の回収を始めている。
同社が加盟する「日本遊戯銃協同組合」によると、エアガンは発売前、組合が規約に基づいて安全性を検査し、証紙を発給するが、問題のエアガンについては、「この構造は、検査規約にはない新規のもの」などの理由で、証紙を発給しなかった。同社の田中祥元社長は「この商品の本体や薬きょうの強度では、火薬を使って発射するのは不可能。これが違法なら、世の中のエアガンはすべて違法になってしまう」と話している。
改造銃や改造エアガンは、実際に事件で使用されるなどしたことをきっかけに摘発されるケースが多く、発売直後に、まだ改造例などがないうちに摘発するのは珍しい。
んで、この件についてASGK(日本遊戯銃協同組合)が出した声明がこちら。
http://www.asgk.jp/release/tanaka.html
とにかくASGKとしては、
- 画期的な構造の魅力ある商品で、安全性にも配慮している
- 実弾や火薬を用いた改造薬莢、高圧の炭酸ガス弾などを発射するのは不可能
という、このエアガンが摘発されたことを強く惜しんでいます。
警察が想定している「火薬入りの密造薬莢」というものが現時点で実在しておらず、それを作って実験することも法律で認められていないので、数値的にどう改善すれば良いのかもわからなかったそうですから、作った会社としてはたまったもんじゃなかったでしょうね。
この「カシオペアタイプ」の、デモンストレーション動画がありましたので見てみます。
- タナカ M500 カシオペア新登場!
薬莢にガスを充填し、発射するというシステムは実銃に近い操作感を持ち、個人的にはものすごく魅力を感じます。こ、これは欲しい。
それにしても、「火薬入りの密造薬莢」などという空想上の凶器を想定して、「それを使えば金属弾の発射も可能になるから」という理由で摘発しちゃうんだから、警察はとにかく銃の形をしたものを日本からなくしたくて仕方ないんだろうなぁ、と思ったりするのでした。
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