Ridin’ High

はてな匿名ダイアリーってなんか、非モテへの説教とか「ウブなワタシの初セックス秘話」とかばっかり書かれてるイメージがあって、「気持ちわりー」というのが正直なところなんですが、こんな記事が話題になっています。


http://anond.hatelabo.jp/20080816045217


彼女の両親に会いに行った男が、年収を申告したら笑われ、「キミはうちの娘にふさわしくない」と言われ、あまつさえレストランの勘定まで払わされた、というお話なんですが。


これがアメーバニュースで紹介され、さらに2ちゃんでスレが立ち、「痛いニュース」に取り上げられるという、ちょっと珍しい反応を起こしています。


http://news.ameba.jp/weblog/2008/08/16922.html


痛いニュース(ノ∀`) : 「年収260万円」と言ったら彼女の両親に馬鹿にされた男性…ネットで話題に - ライブドアブログ


はてな痛いニュース、という順番はあんまり見た記憶がないなぁ。


しかも、はてなと「痛いニュース」といえば相性が悪いこと甚だしいのですが、今回はブクマコメントとスレの反応がそんなに乖離してないのがさらに珍しい。


どう考えても、この両親は(実在するならば)人間の屑としか表現のしようがないので、これをかばう人はさすがにあんまりいませんね。


だって、もし彼女親が金持ちで、貧乏な男には娘はやれん!とか思ってるんであれば、男にレストランの勘定を押し付けるってのは嫌がらせにしても非道過ぎるでしょ。


本来なら、手切れ金をくれるのが正しい金持ちの姿ですよ!

大藪春彦の代表作の一つ『汚れた英雄』では、主人公の貧しい青年、北野晶夫が、持ち前の美貌と愛の技巧を武器にして上流階級の美女を次々にコマし、二輪レーサーとしてのし上がっていくサクセス・ストーリーが描かれていました。


はじめは駐留軍人の家でハウス・ボーイをしていた(ついでに奥さんの愛人でもあった)晶夫ですが、映画会社の社長令嬢*1をコマして多額の手切れ金をせしめ、金持ちの子女が集まる大学へ入学してからは、社長令嬢グループと乱交パーティをやったりそのうちの一人*2デリンジャーで撃たれたりといろいろあって、さらに多額の手切れ金と宝石類をゲット。


ライディング・テクニックもさらに磨いた晶夫は、イタリア系の大物レーサー、ヴィアンキに見出されて渡米し、以降はアメリカやヨーロッパでセレブと浮名を流します。


映画女優の「エヴァ・ガーデン」や「ブリジット・バルドーヌ」らとも逢瀬を重ね(それにしても大丈夫なのかこの名前)、国際的プレイボーイとして有名になっていく晶夫。


エヴァにハメられて結婚させられるものの、すぐエヴァが他の女に射殺されたために、莫大な遺産をゲットします。


そこからはさらにセレブ狙いが激しくなり、リヒテンシュタインの大公夫人とか、巨大スーパーマーケットチェーンのオーナー未亡人とか、海運王と別れたばかりの元ファーストレディーとか(本当に大丈夫なのかこの設定)、デヴィ夫人とか、ヤバ過ぎる美女たちが次々に晶夫にコマされていくのでした。

JFKの寝室―ケネディとジャクリーンの封印された「性」

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草刈正雄主演の映画版では、あんまりそういう危険な雰囲気はありませんでしたけどね。


汚れた英雄 [DVD]

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冒頭の元増田も、「別れてやるから手切れ金よこせ」ぐらいのことは言ってもいいんじゃないかと。


そんで、その金を元手にビッグになって、プライベートジェットでアフリカに猛獣狩りに行くぐらいまで昇りつめて、見返してやればいいんだと思うんだ。

*1:「ラッパ」の異名を持つ大物社長。もう永田雅一って書けよ

*2:「パブリック電器の松本社長」の娘。大藪春彦作品には、ちょくちょく松下幸之助をモデルにした人物が悪役で登場する