流した汗は嘘をつかない

持病の腰痛が出るのを防止するため、最近よく岩盤浴に通っています。


うちの近くのホテル内にある施設は、男性も利用できる(女性専用のところが多い)上に料金も安い(千円以上するところが多いが、そこは六百円である)ので、通い詰めているうちにすっかりフロントのおばちゃんに顔を覚えられてしまい、何も言わなくても「はいいつもどーもー」と通してくれるようになりました。オレ、そういう距離感の詰め方ってあんまり好きじゃないんだけどなぁ。


んで、こないだのこと。



浴室は八人が入れるつくりになっていて、ついたてなどの区切りは特にないので、まわりの様子は見るともなしにわかるようになっています。


この日は、ぼくのほかにおばさんが一人、それから女子高生(たぶん)の二人組みがいたのですが。


その二人組みが、ケータイかなんかを持ち込んでアニメの動画を見ていて、けっこう賑やかだったんですね。
(音しか聞こえないので、何の作品かは分からなかった)


それが終わったら、今度は「ねーねーこれ知ってるー?」と新しい動画をかけ始めました。


♪ちゃっちゃらっちゃー、ちゃーらちゃっちゃー、ちゃーーらーー、たららららん


ハレ晴れユカイ」でした。


「えーなにこれ、なんか見たことあるー、おもしろーい」
「これねー、ハルヒっていうの。すごい流行ってるんだよー」


…それはもう二年前のアニメだよ!

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「すごーい、なんか踊ってるんだー」
「うちのクラスねー、アキバの人が多いから、みんなコレ踊れるんだよー」


…お前どんな学校行ってんだよ!


「えーすごいねー、でもあたし見たことないー」
「んー、こっち(宮城県)じゃ放送してなかったからねー」


東北放送でやってたよ!
らき☆すた』までやってたよあの局は。


などと心の中でツッコミを入れつつ、うるさいぞと注意するほどの不快さも感じることなく、持ち込んでいた土山しげるの『喧嘩ラーメン』鹿児島篇を読みながら、快い汗をかいていたのでありました。

この人の、ものすごく安直なご当地ネタの使い方はいつも面白すぎる。いくら鹿児島だからって、「薩摩示現打ちチェスト麺」はやりすぎだよね。

(竹刀に青竹をかぶせたものを持った八人の男が、台に広げた麺の生地を「チェストォオオオ!」と声を合わせて叩き、コシのある麺をつくる。何度見ても吹く)