Ｕｎｃｈａｉｎｅｄ - 男の魂に火をつけろ！　～はてブロ地獄変～

サミュエル・L・ジャクソン叔父貴がクリスティーナ・リッチを繋いでおくのが、縄でなくて鎖なのは、彼女がとらわれている（chained）妄執と、それから解き放たれていく姿を、わかりやすく伝えるための演出なんでしょうね。

この映画では、登場する人物がみな心に傷を抱えており、その傷を、他の誰かの傷をいやすことによって、いやそうとしているんですよね。

この状態を、「傷をなめ合っている」と嫌う人もいるんでしょうけど、ぼくはこういう、人が生きることの悲しみを描いたものはそんなに嫌いじゃない。

そして、その根底にあるものがブルーズなんですね。

この映画のタイトルの元ネタになったのが、ブラインド・レモン・ジェファーソンの同名曲です。

この映画は、ジャンルで分けると「ブルーズ映画」ってことになるんでしょうね。日本で一時期はやった、『完全なる飼育』みたいな「監禁映画」、ってんじゃなくて。

ただ、サミュエル兄貴の歌とギターは、正直あんまり板についてないって感じです。

しばらく現役から遠ざかってた人がカムバックするわけですから、あれぐらいで正解なのかもしれませんけどね。

あと、熱のあるクリスティーナ・リッチを、氷風呂に入れて体温を下げるという場面は、日本の常識とはまったく違っていて印象的でしたね。

たしか『ジェイコブス・ラダー』にもそんな場面があったなぁ。