純愛山河 虎の穴

あしたのジョー スタンダード・エディション [DVD]

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昨年、ジャニーズ事務所山下智久主演で『あしたのジョー』が実写映画化されましたが、まだ梶原一騎作品の実写映画化は続くようで。

ラバーマスク タイガーマスク

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http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20111127-OHT1T00031.htm?from=yol

ウエンツがタイガーマスク!初の実写映画化で変身

 タレントのウエンツ瑛士(26)が、映画「タイガーマスク」(落合賢監督、来年公開予定)に主演することが26日、分かった。梶原一騎氏原作の国民的人気コミックを初めて実写映画化。主人公の伊達直人が特殊なスーツを着るとタイガーマスクに変身するという、新たな設定で描く。12月1日にクランクインする予定。

 あのタイガーマスクが、ウエンツ主演でついに実写映画化される。

 「タイガーマスク」は、1968〜71年に「ぼくら」、「週刊少年マガジン」などに連載された、梶原一騎氏原作の人気コミックが原作。「巨人の星」と並ぶ、梶原氏の代表作だ。悪役レスラー養成機関「虎の穴」にスカウトされた少年・伊達直人は鬼教官・ミスターXの殺人的トレーニングに耐え、タイガーマスクとしてプロレスのリングにデビューするが、その後、児童養護施設に多額の寄付をするために「虎の穴」を裏切ることになる。

 69年に日テレ系でアニメ化されると、最高視聴率31・9%を記録し、国民的人気番組に。また、レスラー・タイガーマスクは現実のリングでも活躍しているが、実写映画化は今回が初めてだ。

 映画版では、伊達直人が特殊なスーツを着ると、運動能力や筋力が格段にアップするタイガーマスクに変身するという設定に一新。スパイダーマンバットマンのような“アメコミ風アクションヒーロー”を意識し、マスクのデザインも変える予定だ。

 原作を知らない子供たちにも魅力を伝えるため、「なぜタイガーマスクが誕生したのか」に焦点をあて、伊達直人が虎の穴で過ごすエピソードに約3分の1を費やす。

 07年公開の実写映画「ゲゲゲの鬼太郎」でも鬼太郎を演じたウエンツだが、今回の起用に「驚きました。自分ということより、どのように描くのかとても興味がわきました」とコメント。「原作に似せるとか、忠実にということではなく、そこにある作者の思いや、ファンの気持ちを大切に頑張りたい」と話している。

 ミスターX役は哀川翔、ヒロインの若月ルリ子役は夏菜が演じる。21世紀のタイガーマスクが劇場に再び現れる。

原作にあった矛盾(プロレスラーの直人が、素顔ではなぜか一般人に見える)を解決するために「特殊なスーツでタイガーマスクに変身する」というアメコミ風の設定を導入したんでしょうけど、それじゃあ虎の穴の存在意義がないじゃないかと全力でツッコミたい。まぁリアルに考えるならば、虎の穴を裏切ったことへの制裁は、リングで倒すことじゃなくて、世界中のプロモーターに回状を出してタイガーを干すことになっちゃうんですけどね。カール・ゴッチバディ・ロジャース殴打事件で干され、ハワイで清掃作業員をやっていたように。


あと、「初めて実写映画化」とありますが、那須博之監督の遺作となった『真説タイガーマスク』はなかったことになってるんでしょうか。

真説 タイガーマスク [DVD]

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まぁこちらは真樹日佐夫原作で、梶原一騎の『タイガーマスク』を映画化したものではないんですけどね。ちなみにこちらにも哀川翔が出ています。タイガーマスク役は船木誠勝で、佐山聡の特別出演もありました。


タイガーマスクは来年公開ですが、もう一つ、来年公開される映画もあって。


http://www.oricon.co.jp/news/movie/2004220/full/

妻夫木聡武井咲ダブル主演で純愛映画、『愛と誠』2012年6月16日公開

 俳優・妻夫木聡と女優・武井咲のダブル主演映画『愛と誠』が、2012年6月16日より公開される。同作は梶原一騎原作・ながやす巧作画の青春漫画が原作の純愛エンタテインメント。幼い頃の出来事がきっかけで額に一文字の傷を持つ、超不良・大賀誠(妻夫木)と財閥のお嬢様・早乙女愛(武井)の“運命の恋”を描く。

 1973年から1976年にかけて『週刊少年マガジン』(講談社)で連載された原作漫画は、1970年代半ばにキャストを変えて映画3本、ドラマ1本が制作され、“純愛ブーム”を巻き起こした。昨年7月に亡くなった元女優、早乙女愛さん(享年51)が1974年公開の第1作でヒロインの役名で女優デビューを果たしたことでも知られる。1976年9月公開の映画『愛と誠 完結編』以来、36年ぶり4度目の映像化となる。

 メガホンを取るのは『十三人の刺客』『一命』などの三池崇史監督。CGあり、アクションあり、熱い涙と迫力のセリフ満載のアレンジで、新たな『愛と誠』の世界を作り上げる。

『愛と誠』は梶原一騎のいちばん悪いところがいかんなく発揮された作品で、1970年代という時代を考えてもダサすぎる作劇が、ながやす巧の端整な絵のおかげでなんとか救われてはいますが、これを実写化した映画はもう観てらんないほどイタい作品になっていました。大賀誠は梶原一騎の他作品に出てくる主人公たちとほぼ同じメンタリティ(『あしたのジョー』や『人間兇器』がわかりやすい)の持ち主なので手馴れたものですが、ヒロインがストーリーに占める比重が重くなると、もう見てらんないんですよ。梶原一騎は『愛と誠』以外にも純愛ものを書いていますが、根底にぬぐいがたいミソジニーを抱えた人なので、ヒロインの描き方がもう話にならないほどヒドいんですよね。昨今の萌えアニメにも負けないほどありえない人格ばかりなので、やはり梶原作品で女は添え物ていどにとどめたほうがよかったようです。


ただ、今回の映画は『クローズZERO』で不良の世界をカッコ良く描いた三池崇史が監督なので、以前の映画ほどイタいものにはならないかもしれませんけどね。

クローズZERO スタンダード・エディション [DVD]

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とりあえずこの特報を見てみましょう。

ダメだ、この学帽に学ランにズタ袋はどうしても吹く。


タイガーマスク』も『愛と誠』も原作は長い話なので、どの辺をやるのか気になるところですね。頭の上に鉄球を乗せたミスター・ノーとか、手裏剣使いの女番長とか、ムチ使いの砂土谷峻とか、虎の穴の総帥のタイガー・ザ・グレートとか出てくんのかなぁ。グレート・ゼブラどうすんのかなぁ。タイガー・ザ・グレート役はぜひ佐山聡にお願いしたいものですが、やはり精神的なものを鍛え、国体を復活させる方が先ですよね