ケンペーくん

古書ワンダーランド 1

古書ワンダーランド 1

横田順彌の『古書ワンダーランド』を読んでましたら、「元憲兵が書いた本」というのにものすごく興味を引かれて、思わずAmazonで注文してしまいました。
憲兵 (1955年) (東京選書)

憲兵 (1955年) (東京選書)

憲兵〈続〉 (1952年)

憲兵〈続〉 (1952年)

著者の宮崎清隆なる人物は、大正七年生まれの元陸軍憲兵曹長で、日中戦争時の中国戦線では「鬼憲兵「東洋の魔王」と異名をとり、その戦中の悪逆非道についても、自ら

私は、あえて「戦争であったから止むを得ない」とか「命令であったから仕方ない」などという弁解をする意図は毛頭ない。結論は「勝てば官軍、負ければ賊軍!!」のこの一言で総ては解決され納得されるのである。

の一言で解決し納得してしまっているというからすごいです。


当時の書評では「魚雷や爆弾などによらず、もっと直接的な個人的な手段で最大多数の人命を抹殺した記録保持者は、この宮崎憲兵ではないかといわれている」とされ、著者本人はこの「人命抹殺の記録保持者」という評がよほど気に入ったらしく、その後この本を再刊したときには裏表紙に引用していたそうです。


しかも、この本は三島由紀夫の絶賛を受け、再刊には三島の序文もついており、その後も宮崎氏は三島の弟子を名乗って文筆活動を継続し、自宅に三島の文学碑を建立したというからもうどこまで濃いのか判断不能になりそうです。


宮崎氏は2001年にお亡くなりになりましたが、昨年からは、自宅を茶廊として公開しています。

http://nihonsakkaclub.com/inform/inform_009.html

一度くらい行ってみたいような気もしないでもない、というか。



宮崎氏の『憲兵』は、当時ベストセラーとなり、新東宝で映画化もされています。


goo映画: Movie × Travel — 旅のような映画 映画のような旅


主人公は宮崎氏自身で、演じているのは中山昭二

いうまでもなく、ウルトラ警備隊のキリヤマ隊長ですね。さすがノンマルト滅ぼした人だけのことはあります。

DVD ウルトラセブン Vol.11

DVD ウルトラセブン Vol.11

おまけに、主人公の上官が藤田進。

いうまでもなく、『帰ってきたウルトラマン』の長官ですね。なにかと「失敗したらMATは解散だ!」て言ってた人。

DVD帰ってきたウルトラマン VOL.2

DVD帰ってきたウルトラマン VOL.2

ウルトラマンの軍事組織と旧日本軍」というのも興味深い題材だと思うんですが、ガイアが俺に「君の肉体が戦うことを拒否している」と囁いているので今日はこのぐらいにしておきます。