マッハロッドでブロロロロー

こんなエントリが話題になっています。

http://anond.hatelabo.jp/20070114231823


で、ここから「男の部屋で無防備に寝るような女はおかしい」「レイプ犯は知人が大半」そして、また「男女の友情は成立するか」という話題に発展していっているようです。はてなの人たちはホントにこの男女友情の話が好きだなぁ。


まぁ女性でなくとも、友人の家で先に眠り込むというのは顔面にマジックでラクガキされる危険性をはらんだ行為ですので気をつけた方がいいです。


で。



男女の友情が成立しないとは思いませんが、それは男と男の友情とは違うものになることと思います。


男と男の愛情が、男女の愛情と同じものではないようにね。


男女のパートナーシップの例

DVDウルトラマンA Vol.1

DVDウルトラマンA Vol.1

ウルトラマンエース」は、北斗星児と南夕子という男女が合体することで変身するという斬新な設定を持っていました。

これは、メインライターである市川森一がクリスチャンであることからきた発想でしょうね。


原初の人間であるアダムが、その肋骨であるエヴァと一つになることで完全な存在になる、という。


また、プラトンの人間球体説というのもありますね。

饗宴 (岩波文庫)

饗宴 (岩波文庫)

人間は、生まれる前は球形の完全な存在だったのが、生まれるときに二つに分かたれたので、欠けた半身を求め続ける、というやつ。

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」でもそういう歌がありました。


つまり、男女がパートナーになるとそこには対立する二項のアウフヘーベンが起こり、どちらとも違ったものが生まれるわけです。


ウルトラマンエースが、他のウルトラ兄弟と違って背が低く中性的なデザインになっているように。

アクションヒーローシリーズ ウルトラマンA

アクションヒーローシリーズ ウルトラマンA



これに対し、男が二人で合体するものといったらもうアレしかないですね。

男同士の合体の例

超人バロム・1 VOL.1 [DVD]

超人バロム・1 VOL.1 [DVD]

超人バロム1」は、二人の少年が、友情の熱バロメーターが300バロムに達したときに「バロム・クロス」(腕組み)を行うことで変身するというシステムでした。この単位の意味はなんなんだ。


しかし、エースが性別を超越した神秘的な存在だったのに対し、バロム1はあくまで男性的。


さいとう・たかをによる原作漫画では、バロム1の顔はマスクでなく素顔で、
単なる変なコスプレをしたおっさんにしか見えませんでした。

バロム・1 (下巻)

バロム・1 (下巻)


つまり、


ということになるわけです。




昭和47年のほぼ同時期に放送された両作品ですが、同じ「合体ヒーロー」というコンセプトを持ってはいてもそのテイストは異なっているのですね。



もっとも、「エース」の方は「ごっこ遊びに女の子の参加は難しい」という意見もあって、番組中盤で南夕子役の星光子が降板、以降は北斗星児が一人で変身するふつうのウルトラマンになってしまうのですが。


昨年公開された映画「ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟」では、高峰圭二が30年ぶりにエースに変身する場面がありました。

この映画の反響をつらつら見ておりましたら、劇場でこのシーンを見たどっかの子供が、

「えー、なんでひとりで変身するのー?」

と言っていた、という目撃証言がありました。


まぁ親と一緒にビデオで観てたんでしょうけど、なんだか「素質充分」って感じで、将来が楽しみなのか心配なのかわからなくなってしまいますね。



最初に紹介したエントリでは、「もう一生女なんて信じない」とありましたが、「ウルトラマンエース」最終回でも、子供たちが「もう大人なんて信じない」というのに対し、エースは

「やさしさを失わないでくれ、たとえその気持ちが何百回裏切られようと…」

と諭します。

まぁ「もう信じない」っていう気持ちはわかんなくもないけど、そんなこと言うなよ。エースだってそう言ってんだからさ。