エジプト十字架の謎 - 男の魂に火をつけろ！　～はてブロ地獄変～

最近よく図書館に行っているのですが、今日、貸し出しカウンターに並んでいたら、隣の窓口で、実直そうな初老のおじさんが荒山徹の『魔風海峡』を借りているのを見かけました。

逃げてぇええ！おじさん逃げてぇええ！

それはそれとして、こないだノックスの十戒とヴァン・ダインの二十則を取り上げたせいか黄金時代の本格ミステリが読みたくなり、エラリー・クイーンとか借りてきたのです。

『エジプト十字架の謎』は、ジュニア版で読んだ小学四年以来22年ぶりに読みます。

はりつけにされた首無し死体という鮮烈なヴィジュアルと、緻密なトリックと意外な犯人に驚愕したという記憶だけが残っており、肝心な内容を完全に忘却しているという事実に更なる驚愕。

我ながら便利な脳ミソですね。

んで。

図書館を出て山形まで行き、佐伯一麦先生の講座を受けてまいりました。

受講生が提出したテキストをみんなで読んで、質疑応答の後に講師の先生による講評をいただくというスタイルなんですが。

今回は、Yさんが提出したテキストがとても印象的でした。

三十歳の主人公が、中学時代に同級生をイジメた経験と、それにまつわる出来事を回想するという内容なんですが、時代性を表現しているアイテムの使い方がとても巧みで、同世代の人間からすると思わずうなずいてしまいました。

とくに、主人公たちがたまり場にしていた放送室で、PCエンジンを持ち込んで『R-TYPE』大会をやるという描写に感服。

このニュアンスを伝えるのは非常に難しいところですが、ここは絶対にPCエンジンでなきゃいけないですね。ファミコンを持ち込んでスーパーマリオ、とかじゃこの説得力は出ない。