甘いからビューだよ
刑務所のメシが実はうまい、という記事が話題になっています。
http://www.asahi.com/national/update/0908/TKY200709080169.html
山口県美祢市の刑務所に、受刑者とまったく同じ食事ができる食堂が登場し、「意外なおいしさ」と驚かれている。拘禁施設の食事は長年、「くさい飯」と呼ばれ、マイナスイメージがついて回ったが、最近の事情は違うらしい。くさい飯は本当はうまいのか。
美祢市に今春オープンした民間運営の刑務所「美祢社会復帰促進センター」は、9月から併設した一般用食堂で、その日の受刑者の食事を、「美祢定食」と銘打って提供し始めた。従来の刑務所では受刑者が調理するが、ここでは民間の給食サービスを使う。評判は上々だ。
法務省は、塀の中の味を外に向かってアピールし始めた。東京で6月に開いたイベントで、初めて受刑者の食事を試食するコーナーも設けた。
実際に獄中で食べた人の感想はどうだろう。
02年春に背任容疑で逮捕され、03年秋まで512日間を東京・小菅の東京拘置所で過ごした起訴休職外務事務官の佐藤優さん(47)は、「食事としては完璧(かんぺき)」と言う。
佐藤さんは、毎日の献立を記録し続けた。
昨年末出版した「獄中記」(岩波書店)にも、食事の記述が頻繁に出てくる。焼きたてのパン、つきたての餅、温かいおかず。食欲をそそる「獄中食」は、くさい飯のイメージからはほど遠い。なかでも、カボチャの煮付け、切り干し大根、ひじきの煮付けは、忘れられない味だったという。
「房への配膳(はいぜん)の順番を毎日変えて、均等に温かい食事を配る配慮まであった。外務省の食堂より拘置所の食事のほうがずっと上だった」
バレンタインデーにはチョコレート、お盆にはあんこを添えたもち米、年末には年越しそば。正月には重箱入りのおせち料理まで出た。「食事で季節を知ることができた」という。
ご飯に肉や魚、おかずが2〜3品、汁物が標準的な食事だ。土日はデザートなどが一品増える。
「面会のない日は囚人のストレスを食い物で抑えている」というのが佐藤さんの見方だ。「食べ物に矯正や懲罰の要素はなく、むしろ『お客様』を管理しやすくすることに重点が置かれている」
佐藤さんは、拘置所で食事に加えて差し入れを食べ、ほとんど運動をせずに過ごした。70キロだった体重が、出る時には78キロになったという。
それはまずいだろ。
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ただ、佐藤優さんが入っていたのは差し入れやお菓子の購入ができる拘置所であって、刑務所とは違うというのは頭に入れておきましょう。
なんらかの容疑を受けて逮捕された人は、まず警察署内の留置場に入って取り調べを受け、起訴されて裁判を受けることになると今度は拘置所に入り、実刑判決を受けてはじめて刑務所に収容されます。
肩書きは容疑者→被告→受刑者と変わってゆくわけです。
また、死刑判決を受けた死刑囚は刑務所ではなくて拘置所に入り、そこで執行を待つことになります。
死刑囚には懲役は科せられてないからですね。
で、これらの施設での食事はよく話題になります。
基本的に、拘置所や刑務所ってのはなにより規則正しさが重視されるので、その生活は単調で、メシだけが楽しみになりますからね。
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麦飯にしょう油をかけて喰うのがうまいと話題になったり、春雨スープの盛りがよかったといっては
”ビューだよビューだよ”
と大騒ぎし、金時豆の佃煮が出るといっては
”金時豆は甘いからビューだよ”
と喜ぶのが印象的でした。まったく意味がわからないんですが。なんだよビューって。
拘置所や刑務所の食事は、美味しかったとしても自分の好きなものを選んで食べられるわけではないので、やはり不自由ではあるようです。
とくに、金時豆からもわかるように甘いものへの飢えはかなりのもので、受刑者たちはテレビCMでみたおはぎが食いたくて具合悪くなったり、月に一度出る小豆とマーガリンのついたパンのうまさに脳がとろけたり、月に一度(2級者は毎月、3級者は隔月)の集会で出るコーラとアルフォートを心待ちにしていたりするのが印象的でした。
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とくにアルフォートはビューで、コンビニなどで見かけるたびにこの漫画を思い出して喰いたくなります。
こういう、刑務所のメシの話が出たりすると、すぐ「税金でうまいもの喰いやがってキー」みたいな反応をする人もいますが、そういう人は岡林信康でも聞けばいいんだと思います。
岡林信康:それで自由になったのかいいくらブタ箱の臭いまずいメシがうまくなったところで
それで自由になったのかい それで自由になれたのかよ