八仙飯店之人肉饅頭
今日の「その時歴史が動いた」は、江戸川乱歩と日本探偵作家クラブについてでした。
http://www.nhk.or.jp/sonotoki/2007_05.html#03
ここで乱歩=クラウザーさん説というのを提唱してみたいと思います。
乱歩
- 本当に書きたいのは本格探偵小説
- しかし、求められているのは猟奇もの
- しぶしぶ書いた猟奇ものに才能を発揮
- 自己嫌悪
クラウザーさん
乱歩の書いた本格ものって、「D坂の殺人事件」にしても「化人幻戯」にしてもなんかこじんまりしていて、傑作「陰獣」にしてもセルフパロディだし、「孤島の鬼」とか「盲獣」とかの変態ものに見られる、脳がスパークするような面白さはいまいち感じられないんですよね。*1
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根岸くんのオシャレポップスが、乱歩の本格ものに匹敵するかどうかはここでは論じません。
個人的に、乱歩の小説でいちばん好きな場面が、「孤島の鬼」で、主人公たちが海の洞窟に迷い込んで、自暴自棄になったホモの相棒に迫られて絶体絶命になるものの、カニを食って生き延びるところ。
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乱歩のグルメものでは、「盲獣」の一章「鎌倉ハム大安売り」というのもあるのですがそちらはまた別のカテゴリーで。
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というわけでこの事件です。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070516it04.htm
大阪・ミナミのステーキチェーン店「ペッパーランチ」心斎橋店で、食事中の20歳代の女性客を拉致し、乱暴するなどしたとして、大阪府警南署が、同店店長北山大輔(25)(泉佐野市)、店員三宅正信(25)(大阪市西成区)の両容疑者を強盗強姦(ごうかん)と逮捕監禁致傷の疑いで逮捕していたことがわかった。
2人は「女性を囲っておくつもりだった」と供述しているという。
調べでは、北山容疑者らは9日午前0時20分ごろ、大阪市中央区の心斎橋筋商店街近くにある同店で、閉店作業を装って店のシャッターを閉め、1人で食事中だった女性客を「逃げたら殺す」とスタンガンで脅し、無理やり睡眠薬を飲ませて泉佐野市内の貸しガレージまで車で連れ去って乱暴したうえ、5万5000円入りの財布を奪った疑い。
当時、店内には他に客はいなかった。
女性はその後も手足を縛られたままガレージに止めた車の中に監禁されていたが、同9時すぎ、自力で脱出して近所の人に助けを求めた。通報を受けた同署員が、事件後に再び出勤していた北山、三宅両容疑者を任意同行し、逮捕した。
2人は事件当時、制服姿で、調べに対し、「インターネットなどでスタンガンや睡眠薬を購入し、女性客を物色していた」などと話している。
「囲っておくつもりだった」って、ずっと囲っておけるわけじゃないんだからその後どうするつもりだったんでしょうね。
帰す気がなかったのは確実です。
どうしたって、フリッツ・ハールマンとかカール・デンケの例が思い浮かびますね。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/mondo/m_10/m_10_1.html
「ペッパーランチ」どうなるのかなぁ、と思って検索してたらこんな動画を見つけました。
外人が、ペッパーランチの魅力について「Cool」「Amazing」と熱く語っているのがなんか無性に可笑しくて。
*1:もちろん、当時ほとんど国産創作探偵小説がなかったところを開拓していった功績はあまりに大きい。あくまで、他作との比較の問題。