黒いトランク
韓国で、旅行カバンにバラバラ死体を詰めて運んでいた男がいたそうです。
※以下ネタバレ含む
これ、ディクスン・カーの「妖魔の森の家」ですね。
妖魔の森の家 (創元推理文庫―カー短編全集 2 (118‐2))
- 作者: ジョン・ディクスン・カー,宇野利泰
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1970/12/11
- メディア: 文庫
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カーの短編の中でも特に高い評価を受けている一作です。
名探偵H・M卿は、ビル、イーヴ、ヴィッキーという三人の若者と、森の別荘にピクニックに出かけました。
この別荘では、かつて20年前、幼いヴィッキーが神隠しにあって一週間後に自宅のベッドで発見されるという事件がありました。
そして、20年前と同じようにヴィッキーは別荘から姿を消します。
室内をくまなく捜索したもののヴィッキーは見つからず、残った三人はやむなく、荷物をまとめたバスケットを持って帰るのでした。
そしてその真相は。
実はヴィッキーは殺され、その死体を三つのバスケットに分けて詰めていたのでした。
あとでこの真相に気づいた卿は、「わしが運んだバスケットには、ヴィッキーの首が入っていたのかもしれん」と、まんまと手伝わされたことを悔しがるのですが。
ちょっと待てや。
これ、畔上道雄先生もツッコミ入れてるんですけどね。
推理小説を科学する―ポーから松本清張まで (ブルーバックス (B‐532))
- 作者: 畔上道雄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1983/04
- メディア: 新書
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人間ひとり三等分して持って歩くわけですよ。
ヴィッキーが小柄な女性で、仮に体重45キロだったとしても、
15キロあるバスケット持って気づかないわけあるか。
血はボタボタ垂れるし、内臓はギタギタ出てきておまけに異臭がするし、サンドイッチかなんかみたくバスケットに詰めて持ち歩くには無理がありすぎるでしょ、バラバラ死体は。
昔の探偵小説には、けっこう無理のある死体処理法が出てきてたものでした。
生きたまま巨大な肉挽き機に放り込んでソーセージにしたり(どこにそんなでっかい肉挽き機があるんだよ、おまけに骨も服も内臓も腸の中のうんこもそのままかよ)とか、粉砕してセメントに混ぜ込んだり(それ探偵小説じゃなくてプロレタリア文学だろ)とかね。
- 作者: 夢野久作
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2001/03
- メディア: 文庫
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セメント樽の中の手紙・人を殺す犬・電報・線路工夫 (1969年) (雨の日文庫〈第5集(現代日本文学・昭和戦前編) 1〉)
- 作者: 葉山嘉樹
- 出版社/メーカー: 麦書房
- 発売日: 1969/05
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死体処理というのは、実際にやるとけっこう大変なようですけどね。
- 作者: Brian Lane,ブライアンレーン,立石光子
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 1996/07
- メディア: 単行本
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そういえば、最近は「特殊清掃員もの」というジャンルも確立してますね。
- 作者: 柳原慧
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: 単行本
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やっぱりこのブログの影響でしょうか。
http://blog.goo.ne.jp/clean110/