Shogun’s sadism

一人称「ワス」の方経由で、こちらのエントリを見ました。

http://ameblo.jp/oharan/entry-10027327199.html

んー、なんかもう百万回ぐらい読んだことあるような内容ですが、これを絶賛して「多くの人に読んでほしい」なんて言ってる人もいるのがなんともはや。


この人に限らず、保守の人はよく「中国は残酷で野蛮な国」というのをアピールします。

たしかに、中国は古来より酷刑の本場として知られ、「封神演義」にある炮烙の刑やら、ジョン・ゾーンのジャケでも有名な凌遅処死やらがよく話題になります。


清朝時代には、持ち運びに便利な斬首用具が開発されており、明朝復古を目指す志士(あと片腕の男)を処刑しまくっていたこともみなさんご存知かと思います。

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しかし、日本だって残酷刑罰では負けてないでしょ。

妊婦の腹を裂いて胎児を取り出す、というのを「中国の思想にしかない行為」というのはとんでもない間違いで、「日本書紀」には武烈天皇が同様の行為をしたという記録があり、その後も武田信虎や「殺生関白」豊臣秀次駿河大納言徳川忠長など多くの人物がこの伝説の主人公になっています。


もっとも、これらの記録は信憑性という点では疑問があり、先代の権力者を貶めることによって政権交代の正当性を主張するという意図があったことも指摘されていますが、少なくとも、中国から伝わったものではあってもちゃんと日本に定着していることは間違いないようです。


また、中世から近世にかけて日本は武家社会だったためか酷刑が盛んで、斬首・獄門・磔・火罪・釜茹で・牛裂き・鋸挽きなどなど百花繚乱。


牧口雄二監督の「徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑」という映画では、キリシタンの女を牛裂きでバラバラにして恍惚とする潮路章とか、キ○ガイの野口貴史に竹のノコギリで首を切られる川谷拓三などといった、マーベラススプラッター描写が楽しめるそうですが、残念ながら国内ではソフト化されておらず未見。

http://www.geocities.jp/akaminey86/tokugawa.html

こ、これは観たい。


これらの酷刑は明治三年まで残っており、斬首は明治十三年まで存続しておりました。もう19世紀末の話ですよ。


日本は文化的な近代国家、なんて言ったってたいして進んでいるわけでもありませんね。



ちなみに、フランスでは1981年に死刑が廃止されるまでギロチンが使われていました。


先進国なんて言ったってたいしたことありませんな。




あと、中国では死体にまで鞭打ちを加える、なんていう話もありますけど、日本では幕末に足利三代木像梟首事件というのがありまして。


勤皇の志士が、逆賊として足利尊氏・義詮・義満の木像の首と位牌を、お寺から盗み出して川原に晒したという事件。


日本にだって、五百年も前に死んだ人物を貶めるという文化がちゃーんとあったんですね。