久しぶりに古株派
こちらのエントリが話題になっています。
身体欠如少女の憂鬱〜サイボーグ化できない少女達〜 - たまごまごごはん
身体欠如少女に対する萌えを扱って賛否両論のようですが、これが男性キャラの場合は「古株派」と称され、燃えの要素として確立されています。
このデータベースでは、損傷している部位によって分類していますが、上のエントリでは次のようにその損傷の背景によって分類されています。
1、戦闘を繰り返しているうちに、やむなく失ったという「戦いの証」
2、その少女の人生の悲惨さを物語る記号
3、失ったパーツそのものに、大きな意味がある。
4、身体を欠如しているというシチュエーションそのものが世界観を作っている。
5、身体を失った後、サイボーグとして活躍している。
欄外
精神そのものを失っている。または崩壊している。
人形、ロボット、人造人間。
この分類でいうと、古株派の戦士たちはほとんど全員「1」に入ってしまうんですが。
父との厳しい稽古の結果として片目を失う柳生十兵衛と、拝一刀との激闘によって片目を失う柳生烈堂という兄弟はその典型といえるでしょう。
その原点は、三国志演義の夏侯惇が、矢を受けた目を自ら食べてしまうところにあると思われます。
「2」の典型は「超人ロック」のロード・レオンということになるでしょうか。
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「4」は、やはり江戸川乱歩の「芋虫」でしょうか。
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ですが、この作品は実は究極のSMを描いているんですね。
サディズムやマゾヒズムの本質は、苦痛を与えたりそれを甘んじて受けたりすることにあるのではなく、相手を支配し人間性を奪うこと・自分の人間性のすべてを相手にゆだねることにあるといわれています。
「芋虫」の主人公・須永中尉は、戦傷によって両手両足を失って帰還します。
そして彼の妻は、人間としての機能のほとんどを失った夫との性行為に激しい興奮を感じ、やがて、彼に唯一残された人間的器官である両目をえぐることによって、須永を完全な性の玩具にしてしまおうとするのでした。
昔の中国には、纏足や盲妹といった身体的損傷にエロスを感じる伝統がありましたが、これも同じようなニュアンスであると考えられます。
上のリンク先で語られている内容も、この欠損から来るエロスについてのものといえるでしょう。
「5」はやっぱりこれですかね。
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女サイボーグとエロスについて描かれた作品としては、「サイボーグ009」に、病弱な娘を持つ父が健康な孤児を引き取り、その内臓を娘に移植して孤児の方はサイボーグ化していったが、サイボーグになった孤児が、自分の身体の分身となった娘に激しい同性愛を抱くというなんとも変態なエピソード「雪のカーニバル」があったのを記憶しています。
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男性の戦闘サイボーグものは、もう枚挙にいとまがなさ過ぎるのでやめておきます。
同様の身体的特徴が、男性キャラの場合は「燃え」につながり、少女の場合は「萌え」と親和性が高いというのはなんとも興味深いことですね。