頽廃的美学論
どうやら今年のトンデモ本大賞の有力候補が出たようですよ。
- 作者: 丸橋賢
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2006/05
- メディア: 新書
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思わず「グラップラー刃牙」第1巻を思い出しました。
- 作者: 板垣恵介
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 1992/02/01
- メディア: コミック
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これを迎え撃つは、三連覇中のチャンピオン、末堂厚。
刃牙の実力に並々ならぬものを感じた末堂は、透明なプラスチックでできたマウスピースをはめます。
それはテンプレートと呼ばれるもので、噛み合わせを矯正することによって身体能力を30%向上させるという素敵アイテムでした。
しかし、刃牙から「歯医者さんキライなんでしょ」と言われ、試合でも翻弄された末堂は、テンプレートを噛み砕いて審判の掌にペッと吐き出します。これだけで反則負けになってもおかしくないですね。審判への侮辱で。
こうしてまんまと戦力を30%ダウンさせられた末堂は、刃牙に敗北を喫するのでした。
まぁ噛み合わせは大事だと思いますが、この丸橋先生は「全人歯科」なる概念を提唱されており、現代の若者に特有の「退化病」を治すことをうったえておられます。
http://www.maruhashi.com/touta/touta1.htm
「超高齢者社会より怖い若年者の退化」だって。
医者のくせに、生物学に関してはド素人以下なんでしょうか。
「退化」を、「進化」の逆だと思っているようですね。
いうまでもないことですが、「退化」というのは人間がサルになることではありませんし、「ゴッドサイダー」みたいに半魚人になることでも、インスマウス面になることでもありません。
- 作者: 巻来功士
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/07/18
- メディア: 文庫
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- 作者: H・P・ラヴクラフト,大西尹明
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1974/12/13
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退化というのは、生物の器官がなんらかの理由によって衰退したりなくなったりすることであり、進化のひとつと考えられます。
わかりやすくいうと、暗い洞窟に生息する魚の目がなくなったり、馬の足指が中指1本になっていたり、悟飯にはあったシッポが悟天にはなかったりすることが退化の例ですね。
で、悟天が誰にも教わらずに超サイヤ人になれたことからもわかるように、身体の器官の一つが退化したからといってそれが生物として劣ることにはまったくなりません。
「現代の若者は退化している」という物言いは、二重に間違っているのですね。
http://kgotoworks.cocolog-nifty.com/youthjournalism/2006/05/post_3047.html
こちらでは、後藤和智さんが公開質問状を送っておられます。
若者が、ほんとうに退化(間違った用法だが)しているかどうか、はこちらで検証していただきましょう。
まぁ、現代人は噛む回数が減ったことによってアゴが発達しなくなり、歯の本数が減っていくといわれています。
これはたしかに、「アゴが退化する」ということであって、歯医者さんとしては死活問題ではあるんでしょうけどね。
- アーティスト: ディーヴォ
- 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
- 発売日: 1991/04/25
- メディア: CD
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