反日捏造だお（ ＾ω＾）

「ホテル・ルワンダ」のパンフを巡る騒動も、町山さんの「でも、やるんだよ」によってなんとなく沈静化したようですね。
仙台でも公開されるので、落ち着いた気持ちで観ようと思います。

で、騒動を振り返ってみますと。
発端になったブログに寄せられたコメントの中に、ちょっと個人的にひっかかるものがあったんですよ。

• 「町山さんは反日発言なんてしてないでしょ」

というコメントに対して、

• 「町山は捏造だらけの反日映画を賛美してるから、結果として反日に加担しているのだ」

というレスがついていたのです。

…捏造だらけの反日映画を賛美？
それってどの映画？

これがどうにもピンと来ませんでした。

…「南京1937」とか「黒い太陽731」のことか？

南京1937【字幕版】 [VHS]

黒い太陽七三一 [VHS]

でも、町山さんがこの辺の映画をほめてた記憶はないなぁ。

…「キル・ビル」か？

キル・ビル Vol.1 (UMD Video)

飛行機の座席に日本刀ホルダーがついてたり、寿司屋の千葉真一が台詞を噛みまくったりするこの映画を国辱と取る人も…いないか。
それに、これは捏造というよりタランティーノの妄想ですからねぇ。

…「ブレードランナー」か？

ブレードランナー 最終版 [DVD]

ハリソン・フォードが「海老天４つ」と頼んでいるにも関わらず、「２つで充分ですよ」と勝手にカットしてよこすうどん屋の親父に、客の喰いたいものも喰わせない傲慢な日本人像を見出し、国辱ものと受け取る愛国者も…いませんね。
最近は全国にさぬき方式のセルフうどん屋ができているので、そこへ行けば海老天４つだろうが10個だろうが好きなように乗せられますよデッカード。

…「リトルトウキョー殺人課」か？

リトルトウキョー殺人課 [DVD]

これをほめてる人はさすがに見たことないです。

もやもやしたまま過ごすこと数日。
ようやく、「これだ！」と確信を持っていえる作品にたどり着きました。

…「ドラゴン怒りの鉄拳」だ！

ドラゴン怒りの鉄拳 デジタル・リマスター版 [DVD]

たしかに、この作品では日本人は思いっ切り悪役。
しかも、袴を後ろ前反対にはいていますのでこの点は捏造された日本人像です。

ブルース・リー演じる主人公の師匠、霍元甲を日本軍が毒殺したという設定はこの作品で完全に定着し、その後作られた精武門ものではみんなこの設定を踏襲しています。

レッド・ドラゴン / 新・怒りの鉄拳 デジタル・リマスター版 [DVD]

精武門 ?ドラゴン怒りの鉄拳 マスター・オブ・カンフー? [DVD]

フィスト・オブ・レジェンド 精武英雄 [DVD]

ジェット・リー主演の「フィスト・オブ・レジェンド」では、倉田保昭とか中山忍も出ています。

日本人の武道家が、対戦相手である霍元甲に毒を盛った軍人に「卑怯なマネをして日本武道に泥を塗ったな！」と怒るあたり、日本人＝悪という単純な図式にとどまらない、深みのある設定になっていました。
やっぱり倉田さんに出ていただくにあたっての配慮だったんでしょうか。

とはいえこの作品でも、霍元甲毒殺説を採用しています。
実際の霍元甲は、若い頃から肺病持ちだったそうなんですけどね。
http://homepage3.nifty.com/hkaction/sub116.htm

まぁでもこの辺を指して反日とかなんとか言うような人たちには、「ホテル・ルワンダ」を関東大震災と結びつけて考えるのは到底ムリでしょうねぇ。

だいたい、「ドラゴン怒りの鉄拳」を好きな人は反日、というのであれば、芸能界でいちばんの反日はしょこたんだということになってしまいます。
http://yaplog.jp/strawberry2/daily/200603/05/
ギザ反日！日本人は謝罪するお！
なんつってね。ありえねえ。

というわけで、明日は「SPIRIT」観てこようと思います。
http://wwws.warnerbros.co.jp/spirit
李連杰、陳眞に続いて今度は師匠の霍元甲を演じるわけですね。
この人は黄飛鴻も当たり役だったし、実在の英雄が多いなぁ。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明〈デジタル・リマスター版〉 [DVD]

そのうち、毛沢東とか演じるんだろか。