血塗られた帝国の子ら
今日はやっと本屋さんに行けたので、自分へのクリスマスプレゼントとしてごっそり購入。
「映画秘宝」2月号
〈映画の見方〉がわかる本80年代アメリカ映画カルトムービー篇 ブレードランナーの未来世紀 (映画秘宝コレクション)
- 作者: 町山智浩
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2005/12/20
- メディア: 単行本
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- 作者: ウルトラヴァイヴ
- 出版社/メーカー: シンコーミュージック
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 島本和彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/12/19
- メディア: コミック
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地獄変 マジカルホラーシリーズ5 (マジカルホラー (5))
- 作者: 日野日出志
- 出版社/メーカー: 星雲社
- 発売日: 2005/11/09
- メディア: 単行本
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- 作者: OFFICE CUE Presents
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/10/18
- メディア: 単行本
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いやー。やっぱり日野日出志はスゴイですね。
クリスマスにこれを買うってのはわれながらサイコーだ。
きみは死ぬ!!
あなたも死ぬ!!
おまえも死ぬ!!
きさまも死ぬ!!
貴兄も死ぬ!!
貴女も死ぬ!!
てめえも死ぬ!!
そっちも死ぬ!!
あっちも死ぬ!!
みんな……!!
死ねえ〜〜〜っ!!
主人公(作者自身)が、こう叫んで読者にオノを投げつけて終わるんですよ、この漫画。
日野先生は当時仕事に行き詰まりを感じていて、この作品を最後に漫画家を廃業するつもりで描いたんだとか。
作者の自伝的な心象風景を軸に、シュールでグロテスク、かつ凄艶なエロティシズムに満ちたイメージを盛り込んだ、悪夢の結晶のごとき傑作です。
主人公が赤ん坊の頃、一家で満州から引き揚げてくるシーンの地獄絵図は、シュールな映像美に満ちたこの作品の中で唯一リアルな恐怖を感じさせていますね。
亡くなったわたしの祖父母も、子供たち(わたしの伯父伯母)を連れて満州から引き揚げてきていたので、おそらくは同じような経験をしていたことでしょう。そう思うと、この作品はわたしにとっては地続きな物語だということになります。
ああ 満州…
今は失き幻の帝国
それは地獄の国
血塗られた帝国
その地獄の国に
侵略者 そして
敗残者の子として
生まれたぼく
地獄の鬼の子として
生まれたぼく
ああ…地獄よ
それが
ぼくの故郷……
作者の持つこのルーツは、ぼくのルーツでもあるわけだ。
そして、誰にとってもそのルーツは同じのはずだ。
この世に、血塗られた帝国でない国なんてどこにもないんだからな。