労働者階級の英雄
今日、12月8日はいろんな忌日になっています。
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まぁこの攻撃作戦について語りたい方はいくらでもいらっしゃるでしょうからねぇ。
アメリカの帝国主義に対するカウンターパンチであった、とか。
有色人種が白人に抵抗できるのだ、ということを示した偉大なる一撃だった、とか。
アメリカの謀略によって日本が戦争に引きずり込まれたのだ、とか。
どんな理由があったにしても、人殺しを賛美する人はきらいです。
また、昭和38年の今日は、赤坂のクラブ「ニュー・ラテンクオーター」で力道山が暴力団組員の村田勝志に登山ナイフで腹部を刺され、のちに亡くなる原因になった日でもあります。
- 作者: 大下英治
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どんな理由があったにしても、稀代の英雄の死という現実を矮小化するような物言いをする人はきらいです。
また、1984年の今日は、ロサンゼルスでMotley Crueのヴィンス・ニールが泥酔して車を運転し、事故を起こして同乗していたHanoi Rocksのドラマー、ラズルが死亡した日でもあります。
ミリオン・マイルス・アウェイ~ベスト・オブ・ハノイ・ロックス
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昨年の今日は、ダイムバッグ・ダレルがステージで射殺されるというロック史上最悪の惨劇もありました。
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しかし、12月8日といえば、なんといっても1980年、ジョン・レノンがストーカーのマーク・チャップマンによって射殺された日であります。
レノン・レジェンド ― ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ジョン・レノン
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実は、コレと同じことを言っていたサイボーグがいました。
サイボーグ009 (第6巻) (Sunday comics―大長編SFコミックス)
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宇宙空間へ脱出していく、黒い幽霊団の首領である魔神像。
その内部へ、001の超能力でテレポートしていった009は、大幹部であるスカールを倒し、真の首領である、バリアで守られた三つの脳髄を抹殺するために、まわりのメカを手当たりしだいに破壊していきます。
その姿を、あざ笑う三つの脳髄。
自分を殺すには、世界中の人間をみな殺さねばならない。なぜなら、自分は人間の悪の心から生まれた細胞の一つに過ぎないからだ。
この論理は、石ノ森作品の悪の組織に共通する基本認識ですね。
「仮面ライダー」シリーズでも「悪は滅びない。だから正義は戦い続けなければならない」というのがシリーズを続ける上での基本になっていました。
しかし、009はひるみません。
「おまえが細胞だというなら、ぼくもまたひとつの細胞なんだよ」
人間には悪の心もあるが、善の心も持っている。
その力を、自分は信じる。
そう宣言した009は、心中覚悟で魔神像を破壊します。
爆発寸前に、地上からジェットの限界を超えた飛翔でやってきた002に救出される009。
しかし、彼らには大気圏に突入する能力はありません。
「ジョー!きみはどこにおちたい?」「…」
そのとき、物干し台で星を見ていた姉弟が、一筋の流星を見つけました。それは燃え上がる002と009の姿。
弟に、何をお祈りしたのかと訊かれた姉は、こう答えます。
「あたしはね、世界に戦争がなくなりますように… 世界中の人がなかよく平和にくらせますようにって… いのったわ」
…完璧すぎるラストシーンです。
このシーンを思い出すだけでわたしは泣けます。
この後、「実は燃え尽きる寸前に001の超能力で救出されていた」という設定によって復活してしまったり、実はレイ・ブラッドベリの「刺青の男」のパクリだということが発覚したりしましたが、そんな些細なことは問題ではありません。
- 作者: レイ・ブラッドベリ,小笠原豊樹
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世界に戦争がなくなりますように。
世界中の人がなかよく平和にくらせますように。
あなたがそう望むなら、戦争はきっと終わります。
メリー・クリスマス。
心をこめて。