地獄運賃を払っていけ

今から十年ほど前、「少年チャンピオン」に三週だけ短期集中連載された、「魔人タクシー」という漫画をご存知の方はいませんか。


わたしも今まで随分いろんな漫画を読んできましたが、あれほど狂った漫画は後にも先にも読んだことがありません。


作者は、92年にアフタヌーンに連載された「れっどまん」でデビューした、柴田芳樹先生。

れっどまん (アフタヌーンKC)

れっどまん (アフタヌーンKC)

絵はハッキリ言ってド下手ですが、デッサンの狂い方がなんとも無気味なムードを醸し出していました。

以下に内容を記しますが、記憶に頼っているので間違っている可能性は大です

主人公は、いじめられっ子の男子高校生。

帰り道でDQNたちにいじめられる彼の前に、一台のタクシーが止まります。
彼らが乗り込むと、車内のテレビモニターに、いじめっ子のDQNが丸められた肉塊になってバスケットボールみたいにドリブルされているのが映されて、怖くなったDQNたちは降りることにします。

すると、「待てい!」と声をかける運転手。

「地獄運賃を払っていけ」と、10万円(金額は違ったかもしれないが、とにかく法外な料金)を請求します。

DQNたちが「そんなに払えないよ!」と泣くと、運転手はタクシーのボンネットの上に乗り、サッカーのユニフォームに変身、「ズンズンズン」というBGMとともに「死のダンス」を踊りながらDQNをボコボコにして去っていくのでした。


で、この内容が第一話・第二話と繰り返され、第三話になるともう最初っからラガーマンになって主人公を救って車に乗せ、ドライブスルーで大量のフライドポテトを喰ったりしながら一日中無言でドライブし、「地獄運賃500円」を徴収して去っていくのでした。


こうやって書いてみても、なにがなんだか全然わかんないでしょ。
でも、本当に見たんだってば!こんな漫画だったんだってば!
誰に聞いても、「そんな漫画見たこともない」「お前の妄想なんじゃねーの?」などと言われ、もしかしたら本当にオレの脳内漫画だったんじゃねーか、と思うまでになったのですが、「魔人タクシー」でググってみたら、とりあえず実在したということは確認できました。
http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Ink/4255/hibi/pro.html
↑柴田芳樹先生のHPです。


誰か、この漫画を知っている、読んだことがある、当時のチャンピオンを保存している、という方がおられましたら当方までご連絡ください。