血を吸う宇宙

本日の「ウルトラマンマックス」は、実相寺昭雄監督の「胡蝶の夢」。
監督お得意のシュール映像とメタな展開でした。


今回の主役は、石橋蓮司演じる脚本家の蓮沼。

マックスの脚本を書いている彼が、夢の中でカイト隊員になる。
彼の書いている脚本では、カイトは脚本家になる夢を見ている。

やがて、彼らの世界が錯綜していき、どちらが現実なのかわからなくなる…というもの。


登場する怪獣は、デウス・エクス・マキナをもじった魔デウス
決まった形をもたない抽象的な存在感は、かつてのブルトンガバドンを思わせるものがありました。

作中でも言及されていますが、超越的な力をもって事態を収拾するウルトラマンはまさにデウス・エクス・マキナそのものです。
金城哲夫の名前を出してみたり、今回のお遊びはかなりウルトラマンというものの本質に迫ったものでした。


効果音オフでの戦闘場面、パチンコ屋の騒音が響く脚本家の自室、怪獣を造形する謎のおばさんの怖すぎる顔、ありえない配色の照明、今回も実相寺監督の手ぐせ連発*1って感じです。


最後に、カイトと蓮沼が入れ替わったまま魔デウスと戦い、石橋蓮司ウルトラマンマックスに変身するという驚愕の展開が。
カイトがワープロに脚本を打ち込み、それに従って蓮沼が変身するという一連の流れを入れているため、カイトの存在感が失われず、ヒーローものとしての面白さを保っているのはさすがに手練の演出というところです。

こういうメタな演出って、下手をするとフィクション世界を全否定するような印象を与えてしまいますからね。

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10年前に大論争を巻き起こした某アニメについてはあえて触れません



それより気になったのが、監督役が諏訪太郎だということですね。

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朝の七時半に石橋蓮司と諏訪太郎を出すというのは、ある意味放送事故ではないかと思わされました。



んで、来週は二瓶正也(イデ隊員)が出て、再来週はまた実相寺監督でメトロン星人が出るのこと。

もはや子供向けではありませんな。