花よ綺麗とおだてられ

妖怪大戦争」のキャストはあちこちで話題になっているようですね。
http://yokai-movie.com/
栗山千明演じる「鳥刺し妖女アギ」ですが、この髪型はどうなんでしょう。
個人的には、梶芽衣子の「女囚さそり けもの部屋」に登場する李礼仙を思い出してしまいます。

女囚さそり けもの部屋 [DVD]

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この作品は、梶芽衣子の当たり役となった「さそり」シリーズの第三作。


脱獄囚の梶芽衣子は、満員電車の中で刑事の成田三樹夫に手錠をかけられますが、成田三樹夫の片腕を出刃包丁でぶった切って、腕をぶら下げたまま雑踏の中を走って逃亡。そこにババーンとタイトルが表れ、シリーズ通しての主題歌「怨み節」がかかる、という冒頭からインパクト満点の導入部です。

梶芽衣子全曲集

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この主題歌は「キル・ビル」でも使われてたので、知ってる方も多いでしょう。
キル・ビル Vol.2

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そして、逃げ込んだ墓場で手錠をゴリゴリと切断していたさそりは、売春していた渡辺やよい(亡くなった元力士の蔵間未亡人)と知り合います。
この人は、労災事故で廃人になった兄の面倒を見ながら売春で生計を立てていて、しかもその兄の子を身ごもっているという悲惨極まりない設定。

今回のさそりは、この人の手助けをしながら売春組織と対決していくというストーリーになります。


この売春組織がすごい。

ボスは南原宏治。今回もいい声いい味。

そして、マダムは李礼仙。これがもうサイコーなんですよ。

「マーズ・アタック!」の火星の女王みたいな異常にエリのでかいドレス(しかも全面ラメ)に身を包み、ソフトクリームみたいにくるくる巻き上げた髪型。

一言で言えば「スーパーファンキー」って感じですね。

このスーパーファンキーと対立していくさそりですが、シリーズ通して「無口」という設定のため、セリフはほとんど喋りません


そして、彼らの争いに片腕成田三樹夫も加わり、いろいろあって下水道に逃げ込んださそりに対し、マンホールからガソリンを流し込んで火をつけるという刑事とは思えない作戦を敢行します。


妊娠した知的障害の売春婦を、アル中のモグリ医者のところで堕胎させて死なせるというシーンもありますが顔がひきつるほどコワイです。
渡辺やよいおっぱいも最高ですし、見所満載の作品ですね。


小松方正股間に杭を打たれることで知られるシリーズ第二弾「第41雑居房」も傑作として知られています。

女囚さそり 第41雑居房 [DVD]

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伊藤俊也監督に特有の反体制的な演出は、男社会にオンナたちが異議申し立てするというフェミニズム的な文脈からも高く評価されていますね。

テルマ&ルイーズ」なんかにも通じるものがある、といえるでしょう。

テルマ&ルイーズ [DVD]

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妖怪大戦争」には、たぶん栗山千明の髪型以外には通じるものはないでしょうけどね。