ブラザーズ&シスターズ

こんな小噺を聞いたことがありますか。

小学生の兄妹が、秋葉原へ買い物に行った。人ごみにまぎれてはぐれそうになった妹が、

「おにいちゃん、待ってよ〜!」

と叫んだ。すると、


リュックサックを背負ってバンダナを巻いた人たちが、いっせいにこちらを振り向いた。

ことほどさように、オタクの人たちにとって「おにいちゃん」というのは魅力的な響きを持つ単語なわけです。

くりいむレモン DVD大全集BOX 上巻

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今から20数年前に出たアダルトアニメの先駆け「くりいむレモン」第一作「媚・妹・BABY」は、義兄妹の禁断の愛を描いて大ヒットしました。
人気が出たので続編や劇場版(エロシーンをカットした一般向け作品)も作られ、勢い余ってラジオ番組までやっていたほどです。

このラジオ番組「今夜はそっとくりいむレモン」、ラジオドラマとかではなくリスナーの葉書を読むDJ番組だったのですが、「及川ひとみ*1くりいむレモン」ではなく、あくまでヒロインの「亜美ちゃん」がDJをやっているという設定。葉書を読むときには、リスナーのペンネームに「おにいちゃん」を付けて、「○○おにいちゃん、お葉書ありがとう」と呼びかけるという虚実の皮膜をぶっちぎった番組だったそうな。

昨年には、名作アニメ実写化のブームに乗って実写にもなっています。
内容は比較的無難ですが、制作が「飼育の部屋」シリーズのフルメディアのため、くりいむレモン」なのに小沢和義が出ている*2という事態になっています。



妹もの、というのは古くから映画にはよくあります。

妹 [DVD]

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これなんかは有名ですね。秋吉久美子は元祖不思議ちゃんと言われています。
ピンクのカーテン [VHS]

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ジョージ秋山先生の漫画を原作とするこの映画も定番ですね。今はすっかりおばさんの美保純ですが、昔はとってもキュートでした。


実の妹ではないのに「おにいちゃん」と呼ぶというものではコレでしょう。

ラブレター [DVD]

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ヒロインは関根恵子(現:高橋恵子)。精神がちょっとアレになるシーンの熱演ぶりはとても怖いです。
30も歳の離れた愛人に「ウサギ」とあだ名を付けて自分のことを「おにいちゃん」と呼ばせている詩人、というすごい設定の主人公はなんと中村嘉葎雄。「新必殺仕置人」最終回で廃人になってから4年でここまで回復したんですね。


現代に続くおにいちゃんブームの原点は、PCゲーム「同級生2」だと思いますが、長くなったのでまたの機会に回します。

*1:主演声優。クレジット無し

*2:担任教師の役