不遇の天才、というのはいつの世にもいるもんです

「本当にあった愉快な話」という漫画、および同名の掲載誌がありますね。

これは大変に看板に偽りのある題名で、実際には非常に不愉快な話ばかり。

変態との遭遇・ストーカー・セクハラ・ご近所トラブルなどの投稿を、だらだらと作画しただけで、作者なりのフィルターを通した形跡がまったく感じられず、読むと悪意が伝染してきそうな感じすらしてきます。でもヒットしてるんですよね。オバサンってわからない。


こういった「本当にあった○○」という四コマ誌はいくつもありますが、これらの先駆けになったのは、「モーニング」で連載されていた「気分は形而上」でしょう。

「このOLは実在する」というフレーズは、一部のファンの間では一世を風靡したものです。


この須賀原洋行という作家さんは、もっと評価されていてしかるべきだと思いますけどねぇ。
「よくあるサラリーマン四コマ」と思われている向きも多いようですが、実はいろんなことの先駆けになっています。

  • インターネットが普及する以前から、パソコン通信でファンとの交流を持っていた。もともとメカに詳しい人でもないのに。
  • 男性漫画家としては異例ともいえる「育児休暇」を取った。


わたしにとってはことのほか好きな作家なんですが、先月号では「仕事が減って、生活が苦しい」と書かれていてとてもショックを受けました。
こんなに面白い漫画を描くひとが、不遇をかこっているというのはなんともやりきれないものです。


とりあえず宣伝しておきますので、みんな買ってね。

新釈 うああ哲学事典 上 モーニングワイドコミックス

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新釈 うああ哲学事典 下

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