差別しているのは誰なのか
絶版状態にあった「ちびくろサンボ」が復刊されるそうです。
- 作者: 灘本昌久
- 出版社/メーカー: 径書房
- 発売日: 1999/06/01
- メディア: ハードカバー
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子供心に「バターになるってどおゆうことよ?」と思ったものでしたが、担任のシズコ先生にいくら訊ねても、その演出プランについて納得のいく答えは得られませんでした。
舞台がどこの国かよくわかりませんが、トラはアジアにしかいませんしね。
この物語は、「サンボ」という単語が差別用語にあたるわけで、コレを書き換えたクリーン・バージョンとでもいうエディションも出ています。
トラのバターのパンケーキ―ババジくんのおはなし (評論社の児童図書館・絵本の部屋)
- 作者: ヘレン・バンナーマン,フレッド・マルチェリーノ,Helen Bannerman,Fred Marcellino,せなあいこ
- 出版社/メーカー: 評論社
- 発売日: 1998/09/01
- メディア: 単行本
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- 作者: ベ・エヌ・ポリヴィンスキー,ベ・エム・セニコ,太田順暢
- 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
- 発売日: 1977/12
- メディア: 新書
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黒人に対する差別用語は他にもたくさんあります。
わたしも現役時代を観たことはありませんが、ボボ・ブラジルという黒人レスラーがいました。
- 出版社/メーカー: 東映
- 発売日: 1984/09/21
- メディア: VHS
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で、このリングネーム。「ボボ」というのが九州地方で女性器を指す方言になるため、九州では「ブラジル」だけの名前でサーキットした、という逸話は有名ですが、
そもそも「ボボ」って何よ?
というのはわたしの長年の疑問だったのですが、
- アーティスト: エアロスミス
- 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2004/03/24
- メディア: CD
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つまりは、このリングネームには黒人に対する侮蔑的なニュアンスが込められています。
必殺のココバットも、語源は「ココナッツ」から来ています。
つまり、
「黒人の頭はココナッツみたいに固くてカラッポ」
という偏見を背負わされた必殺技なわけですね。
そして、その「ココバット」で白人レスラーを攻撃する姿に対しては、
「ブラジルのヘッドバットには白人への怨念が込められている」
というギミックがつけられていたわけです。
これって差別の最たるものですよね。
「アイツらは、昔に差別していたオレたちのことを恨んで、復讐しようとしてるんだ」
という偏見。日本における在日コリアンや被差別部落民に対する偏見も、これと同じです。
「差別なんかもうなくなった」と思ってる人たちによる差別。
「自分は差別なんかしていない」という人たちによる差別。
「差別表現撤廃」と言いながら「言論統制」にすり替えようとするヤツラによる差別。
悲しいことですが、これはなかなか無くならないようです。
そんな、差別と偏見に満ちたギミックを押し付けられながらも、文句も言わずにココバットを撃ち続けたボボ・ブラジル。
鉄人ルー・テーズも一目置く実力者でありながら、世界チャンピオンになれなかったボボ・ブラジル。
彼の姿には、虐げられた黒人の哀しみが宿っているように思われます。
・・・プロレスを長く観てると、こういうブルース的な要素に魅かれるようになってくるんですよ。こうなるともはや末期症状です。