クロスロードに立って
真夜中に十字路に立っていると、悪魔がやってきて「魂を売れ」と迫る。
彼と取り引きした者は、思いのままに栄光を手に入れられる。・・・呪われた死と引き換えに。
古くはニコロ・パガニーニも、悪魔に魂を売ったと言われて教会の墓地への埋葬を断られたという。
新しくは、ジミ・ヘンドリックスもそう囁かれたことがある。
だが、誰よりも悪魔に近づいた男の伝説が、20世紀のアメリカにあった。
ロバート・ジョンソンの27年の生涯である。
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そして、漫画にも。
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平本アキラといえば、「アゴなしゲンとオレ物語」のイメージしかなかったが、この「俺と悪魔のブルーズ」は凄い。遊びのまったくない、どシリアスな作品である。ひょっとしたらこの人もクロスロードで悪魔と取り引きしたんじゃないか?
そんな気すらするほどの鬼気迫る迫力で、ブルーズに憑かれた男の姿、そして呪われた男の悪夢にも似た人生を描いている。
考えてみれば、「アゴなし」も同じような作品なのかもしれない。どちらにしてもダメ人間がもがく姿を描いており、男の悲しみに満ちている。ただ、それを正面から描くかギャグとして描くかの違いだけだ。
それにしても、この作品に登場する悪魔も、映画「クロスロード」に登場する悪魔も、「エンゼル・ハート」や「ディアボロス」に出てくる悪魔も、みんな背広を着たオッサンなのはなぜだろう。アメリカ南部の伝承ってのはそうなってるのかなぁ。あるいは貸本版「悪魔くん」の影響か?