さらば最高の王者

ボクシング3階級制覇王者、長谷川穂積が引退を表明しました。


ボクシング 世界3階級制覇の長谷川穂積 現役引退表明 | NHKニュース ボクシング 世界3階級制覇の長谷川穂積 現役引退表明 | NHKニュース

WBC=世界ボクシング評議会スーパーバンタム級のチャンピオンで、日本の男子選手では史上最年長で世界タイトルを獲得した長谷川穂積選手が現役引退を表明しました。
かつてWBCのバンタム級で10回のタイトル防衛を果たした長谷川選手は、ことし9月、WBCのス−パーバンタム級タイトルマッチで日本の男子選手としては史上最年長の35歳9か月で世界タイトルを獲得し、日本の選手では4人目となる3階級制覇も果たしました。

長谷川選手は、その後、現役を続行するかどうか注目されていましたが、9日午後神戸市内のホテルで記者会見し、世界タイトルを返上し現役を引退することを表明しました。

引退の理由について長谷川選手は、「自分がどのくらい強いか知りたくてボクシングを始めたが、強さを証明することができた。これ以上、心と体を一致させて戦う理由がなくなり、チャンピオンのまま引退しようと思った」とすっきりとした表情で話しました。


10年以上にわたり日本ボクシング界のエースとして活躍した穂積も、ついにその選手生活にピリオドを打つことになりました。


穂積の去就についてファンが注目していたのは、WBOの同階級にフィリピンの5階級制覇王者、ノニト・ドネアがいたことです。


ドネアは、かつて穂積からベルトを奪ったフェルナンド・モンティエルに強烈なKO勝ちをおさめ、そのベルトを奪取した相手で、穂積とは近い階級で活躍し続けたボクサーでした。同世代の西岡利晃もノックアウトしており、穂積のキャリア総決算にはふさわしい相手だったといえます。彼自身も「機会があればやってみたい」と言っていました。


しかし、ドネアはこの11月、ジェシー・マグダレノに3−0の判定負けを喫し王座から陥落。穂積はこの試合を「エキサイトマッチ」解説者として観戦しましたが、「これも運命ですね」とその敗戦を受け容れていました。これも引退を決めた要因かもしれません。


ただ、個人的な意見でいえば、最近のドネアには精神的なおごりが見られ、思うようにパンチが当たらないとすぐ機嫌が悪くなるので、期待していたような好試合にはならないかもと危惧しておりました。なので、結果的にはこれでよかったのかもしれん、とファン心理を納得させることにします。


最高のボクサーが、チャンピオンのまま引退する。これほど幸せなことはない、と言っても、どこからも文句は出ないでしょう。長谷川選手、本当にお疲れさまでした。