アンダー・プレッシャー
発端は町山智浩氏のこのツイート。
「タブーなき」といわれるMXですが、大川プロデューサーが『この世界の片隅に』ののんこと能年玲奈を番組に出そうとしたんですが旧事務所から抗議があって断念しました。テレビの片隅のMXくんだりまでマメに圧力ご苦労様です。
— 町山智浩・告知用 (@TomoMachi) 2016年12月2日
そこからの展開。
映画評論家・町山智浩氏が「能年玲奈が旧事務所の圧力でMX番組に出られなかった」と告発!これに切込隊長・山本一郎氏が突撃 - Togetterまとめ
切込隊長の物言いは、さすがに冷笑系の家元というべき味わいがありますが、「事務所に確認したが、圧力をかけたという認識は持っていなかった」という理屈がもう最高に自称中立ですね。「圧力かけたんですか?」といわれて「かけましたよ」と答える人いるわけないじゃないですか。たとえばオカダ・カズチカに「レインメーカーという技は、説得力を相手の受け身に頼りすぎてるんじゃないですか」なんて言ったら、外道さんに「テメー何いってんだよ! レインメーカーはよぉ、ルェベルが違うんだよ!」と怒鳴りつけられて終わりですよ。
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世の中にはグレーゾーンがいっぱいあるので、その辺を表向きの建前だけで判断してはいけませんわねえ。
これらも併せて読むと、ことさらに味わい深い。
能年玲奈「のん」騒動にアニメ作品「この世界の片隅に」が引っ張られている件|やまもといちろうコラム - デイリーニュースオンライン
また、オフレコと称して先日この映画の関係者が揃って新宿ロフトプラスワンで「ぶっちゃけ話」をしたようですが、実際にキー局を含めたテレビ局の側から言うと、レプロの誰からも、何の圧力も現場にかかってません。
(テレビ局に圧力などかかっていない、とする切込隊長の記事)
バーニング社長・周防郁雄氏が初めて語る「芸能界と私」(田崎 健太) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
(芸能界のドンと呼ばれ、強い圧力を発する主体と目されることの多い、バーニング周防社長のインタビュー記事。控え目な人柄が強調されている)
芸能界に圧力など存在しない、という論調の記事が続けて出されている流れには、何やら薄気味の悪い風潮を感じますねえ。具体的にどこかの誰かが命令して圧力をかけている、とは思わないけど、そもそも世の中に存在する「圧力」ってそういうものが大半なんじゃないですかね。