混沌の荒武者

新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス26」をCSにて観戦いたしました。



本日の優勝決定戦は、Aブロックを勝ち抜いた後藤洋央紀と、Bブロック代表のケニー・オメガによる熱戦でありました。


Aブロックは、最終日まで5人が同点で並ぶという接戦でしたが、後藤が丸藤正道に勝利し、同点のオカダ・カズチカ棚橋弘至が30分フルタイムで引き分けたため、後藤が優勝戦進出。
Bブロックでは、柴田勝頼マイケル・エルガンがそれぞれ敗北し脱落、単独首位の内藤哲也と、追うケニーが直接対決。これまた時間切れ引き分け寸前で、ケニーが必殺の「片翼の天使」を決めて決勝進出を決めました(同点の場合は直接対決で勝ったほうが勝ち抜けるルール)。



正直、後藤がBブロックを勝ち抜いた時点で「は?」という感じはありました。後藤は2月にオカダのIWGP王座に挑んだものの敗北し、ツイッターで「消えてしまいたい」とつぶやくほどの豆腐メンタルを露呈しました。そこから滝行による精神修養と、オカダ率いるCHAOSへの加入で「自分は変わった」とやたらアピールするものの、リングで見せる技もパフォーマンスも何も変わっておらず、ファンから総ツッコミを浴びる体たらくでありました。


対するオメガも、リーダーを務めるBULLET CLUBは内藤率いるロス・インゴベルナブレスにすっかり押されて存在感が薄くなり、「バレットクラブはもう終わった」という意見も少なくありませんでした。しかしその状況から、直接対決で内藤を撃破しての優勝戦進出ですから、勢いはこちらにあります。


果たして試合が始まると、自信満々の後藤に観客は容赦なくブーイングを浴びせ、膝を負傷しているオメガに声援が集まる展開に。


それでも後藤は得意のキックや牛殺しでオメガを追いつめ、オメガも負傷している膝で後藤の顔面に膝蹴りを入れるなど、終始ハードな試合展開でありました。エプロンサイドへのパワーボム、雪崩式牛殺しなど危険度の高い技も出ました。
26分以上に及んだ激闘は、後藤が封印していた裏・昇天と昇天・改を出すもののカウント2。現フィニッシュホールドのGTR(とくに何の略語でもないもよう)を狙うものの外され、オメガが盟友である飯伏幸太の得意技であるシットダウン式ラストライドからフェニックス・スプラッシュ。これはかわされたものの、続いてBULLET CLUB初代リーダーであるプリンス・デヴィッドの必殺技だったブラディ・サンデーが炸裂。そして、先代リーダーであるAJスタイルズのスタイルズ・クラッシュを続けて決め、フィニッシュは自分の必殺技である片翼の天使! 完璧な3カウントで、外国人選手として初めてのG1優勝を決めたのでありました。



試合終了後には、ケニーがマイクを取り英語で「俺のホームはここだ」とアピール。さらに日本語も解禁し、場内はやんやの歓声に包まれたのでした。


今回はケニーのためのG1という感じで、オカダと棚橋を脇役にしないために後藤が相手に選ばれたのかなぁ、というのが正直な感想です。


後藤には「持ちネタ以外は何もできない」「極端にアドリブに弱い」という欠点があるので、こういう芸当をされては手も足も出ません。新フィニッシャーのGTRもいまいち説得力がないし、そもそも「自分は変わった」といいつつ何も変わっていないのが、ファンにそっぽを向かれる原因ですね。


また「消えてしまいたい」などとツイートしないかどうか心配ですが、これから後藤が本当に変わるためには何が必要なんでしょうか。ちょっと考えてみたので、みなさんもよかったら投票してください。