4の字固めのひとりごと

千葉県から伝わってきたニュース。


部下の子供である小1男児を床にたたきつける 社長を逮捕 - ライブドアニュース 部下の子供である小1男児を床にたたきつける 社長を逮捕 - ライブドアニュース

 部下の次男である小学1年の男児(6)を床にたたきつけてけがをさせたとして、千葉県警市川署は9日、傷害の疑いで同県市川市南大野、建設会社「T.s life」社長、永橋文明容疑者(42)を逮捕した。

 「叱るつもりだった」と容疑を認めている。男児は頭の骨を折る重傷。

 逮捕容疑は8日午後8時半ごろ、永橋容疑者方の居間で、男児の髪の毛をつかみ複数回、床にたたきつけてけがをさせたとしている。

 同署によると、永橋容疑者は当時、男児の30代の父親ら部下数人と自宅で酒を飲んでいて、男児は母親と一緒に父親を迎えに来ていた。永橋容疑者がふざけてプロレス技の「4の字固め」をかけたところ、男児が痛がり永橋容疑者の顔をたたいたため暴行に及んだとみられている。男児の父親は「突然だったので止められなかった」と話しているという。

 男児が嘔吐(おうと)したため帰宅後、父が119番通報した。

こういう人にプロレス技を使う資格なんかない! と声を大にして言いたいですね。だってね、プロレスごっこってのは自分が一方的に技をかけるだけではいかんのですよ。とくに相手が子どもだったら、うまく花を持たせるのが大人の役目ってモンでしょう。技をかけられて痛かったら反撃するのは、これまた当然。それで逆上してどうするんだ。


だいたいね、かつては「4の字固め→裏返しにするとふたりとも痛くなる」というムーヴが定番でしたが、いまのプロレスなら「4の字固め→耐えながら相手の顔面に張り手」ってのが定番のムーヴじゃないですか! とくに柴田勝頼が4の字固めを使ったときは、後藤洋央紀棚橋弘至がよく張り手の攻防を見せてたじゃないですか。その文脈に沿っている分、6歳児のほうがプロレスのなんたるかを理解していると言わざるを得ないッ!!!


「プロレス」という言葉を「馴れ合い」の意味で使うやつ、自分の好きなようにやらせてくれない相手を「あいつはプロレスができない」と表現するやつ、そんなやつらがいまの日本には多すぎる。プロレスがそんな都合のいいものであってたまるか! 少なくとも、社長が社員の息子に4の字固めをかけるのはプロレスなんかじゃない!



1985年、新日本プロレスは選手の離脱が相次いでカード編制がままならなくなり、東京体育館でのビッグマッチでも、何のテーマもなくただ一番ネームバリューがある選手同士を対戦させる、というだけでアントニオ猪木vs藤波辰巳の師弟対決が組まれました。


このとき、藤波は6分以上にわたって猪木を4の字固めで攻め続け、猪木をギブアップ寸前にまで追い込んだのですが、猪木は「折れるもんなら折ってみろ! お前は社員のくせに社長の脚を折れるのか、この野郎!」と挑発しました。
藤波はここで猪木の脚を極めきれず、ドラゴン・スープレックスで勝負をかけますが猪木はこれを返し、ナックルパートから卍固め。藤波は2度にわたり猪木の卍固めを逃れますが、3度目の卍固めでついに動きが止まり、特別レフェリーのルー・テーズがストップをかけ猪木の勝ちを宣言したのでありました。


猪木は試合後「あそこで俺の脚を折れなかったのが藤波の甘さだ」と語りましたが、藤波は「いま僕が猪木さんの脚を折ってしまったら、新日本プロレスはどうなるんですか!」と涙したのであります。



社長と社員が4の字固めをかけあう、というのはそういうことなんです。それがわかんないやつが使っていい技ではないんです!