『八つ墓村』を読み解く

BSプレミアムの「Jミステリーはここから始まった!」“『八つ墓村』を読み解く読書会”を見ました。


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綾辻行人高橋源一郎中野信子道尾秀介という達人が語り合う1時間。実に面白い番組でありました。道尾秀介による八つ墓村には子どもがひとりもいない」という指摘には、目からウロコが落ちる思いがしましたね。鍾乳洞で子どもが遊んでたら話が成り立たなくなるから、というんですけど、結果としてあの閉塞感がより際立つことになったわけです。



とはいえ、『八つ墓村』はオレも大好きな小説ではあるんですけど、金田一耕助は読者の知らない手がかりを持って村に来ている、というアンフェアさは本格推理としては致命的だと思うんですよね。あくまで伝奇ロマンとして読まれる小説でしょうね。



あと、昔からどうしても自分の中で消化できない、大きなツッコミどころがあるんですよね。

※以下ネタバレ

























そもそも田治見要蔵が発狂して32人を殺害したのは「辰弥は要蔵の子ではなく亀井陽一の子だ」と村人がうわさしたのが原因なわけですよ。



で、成長した辰弥は若いころの亀井にそっくりで、兄の久弥も、双子の大叔母も、対面するなり辰弥が要蔵の子ではないことに気づいているわけじゃないですか。


なのに、村人はみんな辰弥が要蔵の子だと信じ切っていて、誰一人として「あれは亀井の子じゃないのか」と言い出さないんですよね。


いちおう、「亀井の顔を知っている村人はみんな要蔵に殺された」とか、解釈のしようがないこともないんだけど、どうにもここは納得いかないんだよなぁ。誰か、うまい解釈ありませんかね。