SHINE!SHINE!SHINE! 介護士SHINE!

竹中平蔵さんとか安倍晋三さんあたりが「介護や家事は移民にまかせて、女性も働いてSHINE!」とかいうキャンペーンを張ってますけど、現場からはこんなニュースが。


死亡しても会社の責任問わず フィリピン人採用で誓約書 - 47NEWS(よんななニュース) 死亡しても会社の責任問わず フィリピン人採用で誓約書 - 47NEWS(よんななニュース)

 関西地域の介護会社「寿寿」(大阪府東大阪市)が、フィリピン人女性を介護職員として採用する際に、本人が死亡しても会社の責任は問わず、「永久に権利放棄する」との誓約書を提出させていたことが12日、共同通信の取材で分かった。

 フィリピン人の女性職員からは「労働条件が厳しい」との苦情が出ており、宿直勤務を月間13回させた書類も残っている。職員が死亡した場合に会社を免責する誓約書に署名させていた理由や、休日取得などの実態について、厚生労働省が調査に乗り出した。

公表された文書の画像には、このように書かれています。

権利放棄証書

関係者各位殿


私、○○(署名欄)は、自分の自由意思において、これによって宣言して明示します。


1.私は、日本にいる間に自然な状況による文末の署名者が死亡した場合、その状況から発生する全ての金銭あるいは他の任意義務行為から、ジュジュ社、その役員、管理者、代表者、又は、社員を、開放し、権利放棄し、又、永久に放棄します。


2.私は、文末の署名者の自然死から発生する任意の問題に関して、前述の状況が前述の企業での私の仕事に従えない場合、ジュジュ社、その役員、代理人又は代表、社員に対して、如何なる行為、犯罪の、民事訴訟の原因を少しも持っていないと認めます。


3.私は、自然な状況による文末の署名者の死亡に関連するジュジュ社、その役員、代理人、代表または社員を○○(読み取れず。「訴追」か「報道」のように見える)しないことをさらに保証します。

日本語でおk


これ、内容が公序良俗に反するから無効、という以前にそもそも文章が意味不明で、日本語として成立してませんよね。
この会社には、まともな文章を書ける人間も、ちゃんとした法務担当者もいないんでしょうか。それで人の命を預かろうというのだから、恐ろしいにもほどがあります。


グループの公式サイトにある、経営者一家の挨拶はこちら。


会長・社長あいさつ | キョーエイグループとは | キョーエイグループ 会長・社長あいさつ | キョーエイグループとは | キョーエイグループ

皆様、この度はキョーエイグループのホームページを拝見して頂き誠に有難う御座います。

こっちも日本語がおかしいよ! ここは「ご覧いただき」だろ! 「拝見」はへりくだった言い方だよ!
尊敬語と謙譲語の区別もできないくせに、何が人材育成派遣事業だ。まずあんたらが育成されてからにしたほうがいいんじゃないの?


んで、2012年に公開された、社長(会長の息子、当時29歳)のインタビュー動画はこちら。


http://j-president.net/osaka/kyoei-gr


「世代が下の人には、人生設計を行い、なりたい自分を思い描き、強い意志と目的を持って突き進んでもらいたい」なんて偉そうなことをくっちゃべってますけど、お前は人が死んでも責任を取らない人間になりたかったのかとツッコミを入れざるを得ない。
しかもこの会社では、フィリピンから日本への渡航費用を労働者に貸し付けており、その借金のため転職もできなかったといいますから、これは明らかに、欧米から問題視されている日本型人身売買そのものです。
そのくせして、インタビューでは「日本市場だけでなく海外にも目を向けながら進んでいます」「2015年までに、日本の介護を輸出したい」なんて言ってるんだから噴飯ものもいいところ。今となってはむなしい夢物語です。


「人生には色々な壁があり、大きな壁でも小さな壁でも、自分の行動しだいで結果は変わります。大きな壁だからといって、立ち止まれば越えられずに終わりますが、乗り越えようと思えばよじ登ってでも乗り越えられます」なんてメッセージを、若者に向けて送ってますけど、法律の壁を越えちゃアカンと思うよ。



2002年に発覚した、北九州一家監禁殺人事件では、首謀者は被害者たちを暴行・虐待するのみならず、弱みにつけこんで、支離滅裂な「事実確認書」を何通も作らせることで心理的にも支配を強めていましたが、この「権利放棄証書」からも全く同じマインドを感じましたねえ……。

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件―(新潮文庫)

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件―(新潮文庫)

マジな話、この経営者一家の周りで行方不明になった人がいないかどうか、調べたほうがいいんじゃないのかね。



あと、この「権利放棄証書」と人身売買の構造から、従軍慰安婦問題にも似た匂いを感じるなあ、と思ったのですが、この社長のFacebookでは慰安婦に関するこんな書き込みもありました。


児林 健太 - 当時の貴重な意見かと思います。確かな根拠をもって政治家の皆さまには発言して頂きたいですね。 | Facebook 児林 健太 - 当時の貴重な意見かと思います。確かな根拠をもって政治家の皆さまには発言して頂きたいですね。 | Facebook
(97歳の男性が「従軍慰安婦はいなかった」と安倍総理に手紙を送った、という出典不明のコピペを紹介している)



ネトウヨ本で学んだのかもしれんが、こんなやり方が現実のビジネスで通用するわけねえだろ!