喜び組東北を征く
12月14日に、安倍晋三首相がASEAN首脳陣を迎えた夕食会を開き、ステージではW-inds.やEXILE、そしてAKB48がパフォーマンスを披露しました。これはやや批判的に受け取る向きが多く、とくにAKBは「北朝鮮の喜び組を連想させる」「日本社会のロリコン体質の象徴」などさんざんな言われようです。
AKBがASEAN首脳の前でダンス「北朝鮮の喜び組のようだ」非難の声も
まぁぼくも別にアイドル好きってわけじゃないし、とくにAKBはいろいろと露骨でイヤなんですけど、そのいっぽう、AKBは東日本大震災の直後から被災地で慰問公演を行っており、それが好意的に受け容れられる程度には、文字通り「国民的」なグループではあるわけです。
んで、被災地公演の様子はYouTubeなどにいくつか上がっていますが、これが意外と面白いんですね。
AKBに限らず、アイドルのライヴ会場にはお約束となっている合いの手が存在します。これはミックスと呼ばれ、ヲタ芸の一種として「打つ」ものとされています。
AKBの場合は、代表的なのが「タイガー、ファイヤー、サイバー、ファイバー、ダイバー、バイバー、ジャージャー」で、代表曲"ヘビーローテーション"歌い出しの間奏部分でよく打たれます。
これは大会場の公演で、観客はプラチナペーパーと化したチケットを争奪戦の末にゲットしてきた猛者ばかりですので、ミックスもよく訓練されています。
しかし、被災地慰問公演は事前告知をほとんど打たずゲリラ的に開催されるので、観客は地元の子ども連れが多く、訓練されたヲタは少数です。
そんな中で、周囲の白い目にもメゲずにミックスを打つヲタの姿を思うと、もう痛々しくてたまらんのです。
これは2013年3月11日、宮城県の女川でのテイク。センターは「ぱるる」こと島崎遥香で、画面左側に見える白い棒を持った男の人が必死に声を張り上げて「超絶カワイイ・ぱるるー!」とコールしているのがわかります。どんな人なんだろう。なんとなく想像はつくけどあんまり想像したくはない。
これは宮古市のテイク。人気の高い「まゆゆ」こと渡辺麻由が第2センターを務めているので、彼女へのコールも聞くことができます。
これは南相馬市。もっと声を張れ、と言いたくなるこの弱々しさよ。
これは、二本松市に移転した浪江町役場前のテイク。このアウェイ感には、無関係なこちらもいたたまれなくなるものがあります。
こちらは2012年、いわき市のテイク。比較的人口の多い都市であり、ヲタもかなり訓練されていますが、センターがまさかの指原莉乃とあって、「超絶カワイイ」のコールにもいささかのためらいが感じられます。
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どのテイクでも、最初の「1,2,3,4!」と、最後の「へびーいーろおてえしょーん」だけは生で歌っているということもわかりました。いやあ、それにしてもこんなに長時間にわたって(このエントリのために3時間ぐらいかけてYouTubeを検索し、ミックスの声が聞こえるテイクを選んだのである)AKBの曲を聞いたのは初めてだわ。なんか疲れる。さて、口直しにパンテラでも聴くか。
ああ落ち着く。やっぱ音楽ってのはこうじゃないとね。ダイムバッグ・ダレルの死から、もう9年も経ったのだなぁ。
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