テキサス・チェーンソー・バーニング

暴走老人!

暴走老人!

「キレる老人」が話題になって久しいです。トシを取ると怒りっぽくなるというか、怒りのリミッターを制御する能力が衰える人も多いようですが、長崎県からこんなニュースが飛び込んでまいりました。


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120603/crm12060316050002-n1.htm

チェーンソーvs高枝切りばさみ、清掃活動でトラブル 2人を傷害容疑などで逮捕

 長崎県佐世保市日宇町で3日、町内会の清掃活動中に参加者同士がトラブルになり、長崎県警は傷害などの容疑で70代の無職の男2人を逮捕した。県警によると、枝をチェーンソーで伐採していた男に、高枝切りばさみを持った男が「うるさい」と苦情を言ったことがきっかけだったという。

 逮捕されたのは、傷害容疑が田島長之容疑者(74)=同市日宇町、暴力行為法違反容疑が杉原純男容疑者(73)=同。

 逮捕容疑は、杉原容疑者は、「音がうるさい」と言った田島容疑者にチェーンソーを突き出し脅した疑い。田島容疑者は、杉原容疑者の首に押しつけた高枝切りばさみでけがをさせた疑い。同署によると、2人は近所に住む顔見知りだが、トラブルがあったという情報はないという。

こ、これはどう考えてもレザーフェイスvsバンボロだぜ!

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レザーフェイスはともかく、バンボロといっても今の若い人はご存じないでしょう。

1981年に公開された『バーニング』というホラー映画がありまして。

  • ゴールデン洋画劇場 『バーニング』予告


前年に公開された『13日の金曜日』の影響をモロに受けたスラッシャー・ムーヴィーなのですが、本家と違ってアヤフヤなストーリーじゃないので、むしろこっちの方が面白いです。
本家と同じくキャンプ場が舞台で、管理人の青年が怪談話をはじめます。前の管理人クロプシーは偏屈な男でみんなに嫌われていましたが、ある時、悪ガキどものいたずらが原因で管理小屋が全焼し、クロプシーは全身に大ヤケドを負ってふた目と見られぬ無残な姿となります。そしてクロプシーは復讐にやってきて、キャンプ場の若者や子どもたちをハサミで血祭りに上げていく……というお話。トム・サヴィーニ大先生による特殊メイクも絶好調で、リア充の指や耳がすぽんすぽんと景気よくもげて、血がぴゅーぴゅー出るので爽快感があります。実は現管理人が放火した悪ガキだった、というオチもきれいで、なぜDVD化されないのか不思議です。


んで、この映画を日本で公開するにあたり、配給会社の東宝東和は、本編ではちゃんとクロプシーという名前のある殺人鬼に、勝手に「バンボロ」という意味不明な名前をつけ(響きだけでつけたそうだ)、「全米で殺人行脚を続け、指名手配されている」という、まったく映画に関係ない嘘プロフィールまででっち上げたのでした。

このポスターの下部分には、三人の女性が檻に入れられて(?)いますが実際の映画にはこんな場面はなく、写っているのは東宝東和の社員だそうです。

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くわしいことはこの本を参照のこと。


それにしても、同じようなハッタリ宣伝でひんしゅくを買った『サランドラ』はDVDになってるのに、なんで『バーニング』は出ないのかなぁ。チョイ役でホリー・ハンターが出ているのですが、もしかしたらホリーが権利を押さえているんでしょうか。