ゾンビ黙示録

http://www.cnn.co.jp/tech/30006818.html

脳を食べたり、顔を食いちぎったり、猟奇事件相次ぐ

(CNN) ここ1週間、脳を食べたり顔を食いちぎったりする猟奇事件相次いでいる。これを受けて、死んだ人間が起き上がることなどありえないことは誰もが承知しているが、「Zombie apocalypse(ゾンビ・アポカリプス)」という言葉がネット上で脚光を浴び、1日朝にはグーグルの検索語の傾向を表示するサービス「グーグル・トレンド」で1位となった。


一連の事件を例としては、マイアミで男が歩道で偶然に出くわしたホームレスの男性を18分間にわたって襲い、その男性の顔の75%をかみ切る事件が起きた。


米国のメリーランド州では同居人を殺害した男が、遺体を切り刻み、心臓と脳の一部を食べたことを認めた。


さらにニュージャージー州でも男が自分の胴体を切り裂き、腸の一部を警察に投げつけた。


またカナダでも、首都オタワの与党保守党本部に、人間の手や足が小包に入って送りつけられる事件が起きている。


オンライン・スラング辞書「アーバン・ディクショナリー」によると、ゾンビ・アポカリプスとは「死んだ人々が腐乱死体の状態で起き上がり、自分の強化するために血液と脳みそを求めてさまよい出すことにより生じる世界の終末」という意味だという。


しかし、アメリカン大学のスコット・タラン教授は「この種の犯罪は今に始まったことではない」と語る。同教授によると、悪いニュースは注目を集め、同様の事件が続くと人々は「ゾンビ・アポカリプス」のような名前を付けたがるのだという。


また教授は、人々は自分よりも大きな問題を抱える人を見たがる傾向があると指摘する。人は誰でも「自分は他人よりまし」と思いたがるのだという。


しかし、この種の話はあっという間に世間に広まるが、忘れ去られるのも早い。タラン教授は、今日また恐ろしい犯罪が起きない限り、ゾンビ・アポカリプス騒動は来週までには終息すると見ている。

いやー、すごいですね。最近は銃乱射事件が目立っていた殺人業界ですが、久しぶりの猟奇事件連発で、好事家がすっかり盛り上がっております。


それにしても「ゾンビ黙示録」という言葉のセンスが最高すぎる。アメリカ人はみんな中二か? ゾンビを世界の終末と関連付けたのはジョージ・A・ロメロが『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を発表した1968年以来のことで、そんなに古い歴史があるわけでもないんですけどね。

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あと、ニュージャージーで「自分の腸をちぎって投げた」という事件は、1868年の堺市で、土佐藩士がフランス海軍の兵士11人を射殺し、20人が切腹を申しつけられた「堺事件」を彷彿とさせるものがあります。

このときは、切腹した武士が自分の腸をちぎってはフランス軍の司令官に投げつけ、そのあまりの凄惨さに閉口したフランス側の申し入れにより、11人が切腹したところで中止になったのでした。


ニュージャージー切腹した人が切腹マニアだったかどうかはわかりませんが、こういった故事も忘れずにおこうと思ったのでした。

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