多忙なる土日

昨日は「せんだい文学塾」で、当代屈指のベストセラー作家である堂場瞬一先生の講座を受けてまいりました。

虚報 (文春文庫)

虚報 (文春文庫)

この日は、各出版社から堂場先生の担当編集者が計12人も帯同され、にぎやかな講座になりました。さすがに当代きっての売れっ子だなと思わされましたね。堂場先生にお目にかかるのは2度目ですが、彫りの深い精力的な風貌に、深みのあるイイ声で話されるので、大物時代劇俳優を思わせる存在感がありました。大沢在昌先生にも同じ印象を受けたのですが、大沢先生ほどアッパー系ではない、どちらかといえば性格俳優タイプといいますか。里見浩太郎緒形拳の違い、とでもいいましょうか。


今回のテーマは「シリーズ物の広げ方」。堂場先生は『警視庁失踪課』『刑事・鳴沢了』『アナザーフェイス』など多くのシリーズものを並行して書かれていますが、同じ警察小説でもそれぞれに違いがあり、たとえば『アナザーフェイス』では主人公の息子に一作で一歳ずつ成長させることでシリーズとして前進させてあり、他のシリーズでも、警察組織は公務員なので異動をさせ、人物構成に変化を持たせているとのことでした。昔の『太陽にほえろ!』では刑事が殉職していなくなるのが常でしたが、そんなやり方は現在では通用しませんね。

太陽にほえろ!伝説―疾走15年 私が愛した七曲署

太陽にほえろ!伝説―疾走15年 私が愛した七曲署

転勤した刑事というと、長さん、スニーカー、ジプシー、デュークぐらいのものでしたからね。死んだ人のほうが多いというのはやはり異常ですね。


今後は、シリーズどうしでクロスオーバーしたり、同じ事件をそれぞれのシリーズからの視点で書いたりといった挑戦を考えているそうです。それも面白そうですね。



で。


明けて今日は、山形市柚月裕子先生を講師に迎えた「小説家になろう講座」を受講してまいりました。

しあわせなミステリー

しあわせなミステリー

第三作『検事の本懐』で山本周五郎賞にノミネートされたものの惜しくも受賞を逃しましたが、三作目でのノミネートは異例の早さで、文壇の柚月先生への注目度がわかるというものです。
検事の本懐

検事の本懐


この日は、評論家で「このミス」プロデューサーでもある茶木則雄さんがゲストとして参加され、テキストへの講評はほとんど茶木さんが中心になっていたのが印象的でした。


また、深町秋生先生もご参加されていたので、最新作『ダウン・バイ・ロー』と、同人誌「Bootleg」にサインをいただきました。


深町先生のサイン入り「Bootleg」は、たぶんぼくしか持ってないはずです。むふふ。