2011年をふりかえる
日本人全員の人生観が変わったといっても過言ではない、2011年ももう終わりです。思えばいろいろなことがありました。ビンラディンが死に、カダフィが死に、金正日が死に、ももいろクローバーは5人になりました。そして東日本大震災が我々から奪っていったものはあまりに大きく、その傷が癒えるにはまだまだ年月が必要です。
ぼく自身にも公私ともにいろいろあり、わりと人生どん底なのですが、井岡一翔が鮮烈なノックアウトを見せてくれたおかげで、来年への希望が出てまいりました。
http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/box/news/20111231-OHT1T00135.htm
王者の左フックに意識もうろう、挑戦者が脱帽…WBC世界ミニマム級戦
◆プロボクシング世界戦 ▽WBC世界ミニマム級タイトルマッチ ○井岡一翔(1回1分38秒 TKO)ヨードグン・トーチャルンチャイ●(31日・大阪府立体育会館)
チャンピオンの井岡一翔(井岡)が、同級10位のヨードグン・トーチャルンチャイ(タイ)を1回1分38秒、TKOで下し2度目の防衛に成功した。井岡は出だしから主導権を握り圧倒。ジャブでリズムをつかむと一気に仕掛け、左フックでダウンを奪った。
挑戦者のヨードグンは、ダウンを奪われるとそのまま担架で控室まで運ばれた。試合後は消え入りそうな声で「左フックを顔面に受けて意識がもうろうとした。こんな強烈なパンチは今まで受けたことがない」と意気消沈。大事には至らなかったが、完敗のショックを隠せなかった。
プロ9戦目で初黒星となった一戦を「井岡は前へと踏み込んでくるスピードが自分より速かった」と振り返っていた。
この試合では、開始前の国歌斉唱で、歌手のふくい舞が君が代の歌い出しをトチるという軽いハプニングもあり、ビートたけしもスタジオからの表彰で「国歌斉唱のときはどうなるかと思いましたが」などとネタにしていましたが、そんな細かいことを吹っ飛ばすほど鮮烈なパンチでした。でも君が代にこだわる国士のお歴々は、さっそく彼女のブログを炎上させています。
http://blog.oricon.co.jp/maifukui/archive/687/0
くっだらねえなぁ。もう君が代は橋下徹の吹き込んだ音源でも流すことにしとけばいいじゃん。だいじなのは試合であってセレモニーなんて添えモンだろう。あのパンチを見てなお君が代に粘着する、その精神構造は理解できないですね。
何はともあれ、今年も一年お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
今年の当ブログにて、反響のあった記事はこのようなものでした。
オイディプスの神話 - 男の魂に火をつけろ!
「タイガーマスク運動」でにわかに脚光を浴びた『タイガーマスク』の、辻真先の脚色によるアニメ版だけが、梶原一騎の追い求めたテーマを達成できたという創作にまつわる運命の皮肉。
心が雨漏りする日には - 男の魂に火をつけろ!
東日本大震災の被災者を狙うニセ科学について。
デマの法則 - 男の魂に火をつけろ!
被災地をめぐって流れたデマと排外主義の悪しき融合について。
震災から二週間を過ぎて〜仙台から山元町まで〜 - 男の魂に火をつけろ!
仙台まで来てくれた深町秋生先生と被災地を巡った記録。あのときは本当に精神的に助かりました。
原子炉の蟹 - 男の魂に火をつけろ!
ひどいデマを流す電波系サイトの晒し上げ。
ありがとうって伝えたくて - 男の魂に火をつけろ!
斉藤和義の反原発ソングが呼んだ波紋について。山本太郎が佐賀県庁侵入容疑で告発されて不起訴になりましたが(当然である)彼が言う「原発に反対すると芸能界を干される」というのは事実に反する、と斉藤和義や西田敏行が証明してしまいました。
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復興へ向けて 〜名取市ゆりあげ港朝市〜 - 男の魂に火をつけろ!
復興へ向けて精一杯がんばる漁港のみなさん。朝市は今も毎週開催されており、来年は1月8日に初市が立ちます!
愛しのアイリーン - 男の魂に火をつけろ!
被災地を徘徊する怪しげな人々について。差別主義と膏薬はどこにでもひっつきます。
顔晴れ! 岩手! - 男の魂に火をつけろ!
5月の岩手県釜石市の市街地。破壊された建物は今もそのまま残っています。復興はまだまだ遠い道のりです。
バレエ地獄変『ブラック・スワン』 - 男の魂に火をつけろ!
ダーレン・アロノフスキー監督の傑作『ブラック・スワン』を観た感想。古式ゆかしいサイコものとして、またゲイに受けそうなキャンプ・ムービーとしての魅力がたっぷり詰まっていました。
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文学フリマ顛末記2011 - 男の魂に火をつけろ!
6月の文学フリマに遊びに行った記録。お世話になったみなさん、機会がありましたらまたご一緒してください。
もし五島勉がノストラダムスの『百詩篇集』を読んだら - 男の魂に火をつけろ!
ハックルのおっさんがあまりに既知外すぎてムカついたので、ついカッとなって書いた。後悔はしていない。『もしドラ』にいちばん似ている本が『ノストラダムスの大予言』だという持論は変わっていない。
炎の聖書 - 男の魂に火をつけろ!
木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか - 男の魂に火をつけろ!
今年のプロレス・格闘技ファンにとっての二大傑作ノンフィクション。どちらも読むべし。
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泣き虫先生の三年戦争 - 男の魂に火をつけろ!
ハックルネタはもういい、とお思いの方もいるかもしれませんが、ネタにしたくなる力だけは一級品なんだよなぁ。町山智浩さんすら「戦慄した」という「ベストセラー作家の質問」について。正直いってオチの画像を使いたいためだけの理由で書きました。
三浦達也さん(43) - 男の魂に火をつけろ!
産経新聞が同じ人ばかりに取材していた件。御用学者という言葉は今年よく聞かれましたが、御用被災者ってのもいるんですかね。
スポーツ映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ! 〜スポーツ映画ベストテン受付中〜
恒例の映画ベストテン企画。今年は「スポーツ映画」にしたら、思いのほか「スポーツは嫌い」という人が多く、自分が思ったほど文化系でなかったことにいまさら気づかされました。結果はこちら。
スポーツ映画ベストテン・結果発表 - 男の魂に火をつけろ!
チャンピオンは…ひとり - 男の魂に火をつけろ! 〜スポーツ映画ベストテン受付中〜
ボクシング業界の根深い闇について。結果として亀田大毅がまさかの判定負け(これだけは絶対にありえないと思っていた)を喫し、もうプロテクトが解けたのかもしれないと思えば喜ばしいことです。これからは井岡一翔や山中慎介のかませ犬として元気に生きていってください。
ワーワー教徒の本音 - 男の魂に火をつけろ! 〜スポーツ映画ベストテン受付中〜
「誰か病気にならないと自分が馬鹿みたいだから」という、放射能被害を誇張して騒ぐ人の本音がつい出てしまったツイートについて。
幸福があれば何でもできる - 男の魂に火をつけろ! 〜スポーツ映画ベストテン受付中〜
幸福の国 - 男の魂に火をつけろ! 〜スポーツ映画ベストテン受付中〜
国王夫妻の来日によって生じたブータン・フィーバーについて。エレガントな物腰と猪木そっくりのルックス、「国民総幸福量」の提唱など美点はいくつもありますが、その裏には民族問題を抱えた国であり、手放しで誉めそやすことはできません。猪木のように。今年も猪木は元気で、さいたまスーパーアリーナではタイガー・ジェット・シンといっしょに上田馬之助を追悼したそうです。
http://www.nikkansports.com/battle/news/f-bt-tp0-20111231-883687.html
デマの氾濫 - 男の魂に火をつけろ! 〜スポーツ映画ベストテン受付中〜
エターナルフクシマライス 早川は死ぬ - 男の魂に火をつけろ! 〜スポーツ映画ベストテン受付中〜
福島県や東北の放射線被害を誇張して吹聴し、少なからぬ人を惑わしている扇動家(大学教授や医者)について。こんな人たちについて、ここでどう取り上げたところで何も変わらないんでしょうけど、でも、やるんだよ。
もう誰にも頼らない - 男の魂に火をつけろ!
『エヴァンゲリオン』以来の衝撃を受けた大傑作アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』について。本当にスゴい作品なのでみなさん絶対に観たほうがいいです。
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ワッシュ的2011年の映画回顧 - 男の魂に火をつけろ!
ほとんどの話題作を見逃したぼくが、それでもなんとか選んだ映画ベストテン。順位はつけていませんが『探偵はBARにいる』がいちばんのお気に入りです。
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今年はこんな感じで一年が過ぎました。
もうぼくも30代後半となり、人生も後半にさしかかってきましたが、人に誇れるような業績もキャリアもなく、社会の最底辺を這いずるまま、新しい年を迎えることになりました。
この年になってわかったことといえば、そうですね、若い人たちに声を大にして言いたいのは、「やればできる」なんて耳心地のいい気休めにすぎない、ってことですね。
だいたいにおいて、社会で発言できるのは何かをできた人たち、成功した人たちであって、やってできなかった人たち、失敗した人たちの声は世間に届かないようになってるんです。だから「やればできる」「夢はかなう」というメッセージばかりがちやほやされるんです。
だまされちゃいけません。人生は思うようにはならないし、どんなに一生懸命やったって、できることなんてごくわずかです。夢をかなえる人なんてもっともっとわずかです。やらずに後悔するよりやって後悔しろ、なんていう人もいますがどちらにせよ後悔することにかわりはありません。やってよかったことより、むしろやらないほうがよかったことのほうが、人生には多いものです。何もやらずに生きていくのが、人間にとって最も幸せなことなのかもしれません。
でも、やるんだよ。