ちょっとお人よしがいい 口説かれ上手な方がいい
猪瀬直樹副都知事が、こんな発言をして全方位からツッコミを浴びています。
例の青少年健全育成についての発言なんでしょうけど、この短いつぶやきの中だけで、反対者への偏見・論点ずらし・女性蔑視と政治家としてあるまじき要素を三つも入れてくるあたりは、さすがにもと売文家の面目躍如というところでしょうか。
人生が行き止まりと感じている人が女なんて口説けるわけねえだろう、とか多くの人が「人生が行き止まり」と感じている社会をなんとかするのはあんたらの仕事じゃねえのか、とか表現の自由と非モテになんの関係があるんだ、とか創作物は恋愛の代替品ではねえだろう、とか、即座にツッコミはどんどん浮かんできますが、このつぶやきは唐突に出たものではなく、一連の流れを見るとその酷さがさらに際立ってきます。
(↑わたせせいぞうとテレビで対談したらしい)
(↑だからさ、「口説くな」ってサインしか出してもらえない男女だっているんだよ)
(↑それはあんたが権威から遠ざかってから言えよ)
(↑ずいぶん単純な女性観だなオイ。○○すれば「必ず」好意を抱かれる、なんて都合のいいことあるもんか)
(↑だからさ、「表現の自由」ってのは、作品が「まとも」かどうかをあんたら公権力が決めちゃいけねえってことなんだよ)
(↑それは「壁」に立ち向かう人間の言うこと。「壁」になろうとしてるヤツが言うなよ)
(↑「書きたいものを書け」つっといて、例に出すのがこの二人かよ! わたせせいぞうに憧れる漫画家なんかいるかよ!)
(↑表現規制に反対しているのはむしろリベラルの人だと思うんだけど……夕張の人だって迷惑だろ!)
そして、上で挙げた発言にいたるわけです。
そんな、思いつきのオレ基準で反対派へのハードルを上げようとしたって、そんなもん跳び越えてやる義理は誰にもないんですけどね。どこの世界に、条例改正に反対するために副知事の個人的命令に従わなければならない自治体があるんだよ!
かつて北方謙三は、「ホットドッグプレス」に連載した人生相談で、「ソープへ行け!」と回答していたというのがよく知られています。
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猪瀬さんの場合は、「表現の自由を狭める条例改悪には反対です」って言ってる人に「夕張へ行け!」「女を口説け!」と答えているんだから、コミュニケーションがまったく成立していません。女性からの「私を口説いてっ」というサインは見逃さないそうですが、規制反対派からのサインはまったく見えないようですね。
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