そして誰もいなくなった

愛知県の小学校でこんな事件があったとか。


http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100915/crm1009150935005-n1.htm

小3担任が算数出題「18人の子供を3人ずつ殺せば何日で全員を…」 愛知

 愛知県岡崎市の市立小学校で7月、3年生の担任の男性教諭(45)が、算数の授業で「18人の子供を1日に3人ずつ殺すと、何日で全員を殺せるでしょう」と出題していたことが15日、岡崎市教育委員会への取材で分かった。教諭は児童に謝罪し、市教委は7月16日付で教諭を厳重注意処分とした。

 市教委によると、教諭は割り算の問題として、口頭で児童に問い掛けたという。市教委に保護者とみられる人物から通報があり発覚。学校の聞き取り調査に、教諭は「ついやってしまった。二度としない」と話した。

 調査で、この教諭は以前にも担任するクラスの女子児童をたたいていたことも判明。児童にけがはなかったという。

 岡崎市教委はこれらの事実を公表していなかった。市教委の太田恭子学校指導課長は「あってはならないことで、今後は適切な指導をしているか(教諭を)見ていきたい。教諭の行為が継続的ではなく、児童も大きなダメージを受けていなかったので公表しなかった」としている。

これ、きっとクラスの人数が18人だったんでしょうね。児童をいじめるのが生き甲斐みたいな教師って、昔からいっぱいいますからねぇ。


でもこの設問には問題があるなぁ。まず第一に、犯人は18人の中にいるのかどうか。


これは大事なことですよ。18人全員が殺されて、それまで影も形も現さなかった犯人がいきなり出てくるというのでは、あまりにアンフェアに過ぎます。


で、舞台となる場所は、どのていど外界と隔絶されているのか。『漂流教室』みたいに異次元とはいかないまでも、荒天で孤立した離島や、雪の山荘などクローズド・サークルはいくらでも考え付きます。そういう舞台を設定していないと、18人の子どもが3人ずつ殺されて、全員が死ぬまで止められないというのはあまりに不自然です。


できれば、

  • 舞台は孤島などクローズド・サークル
  • 犯人は子どもたちの中にいる

という形にしてくれないと、サスペンスが盛り上がりません。



欲をいえば、

  • 18の殺しそれぞれに意味や見立てがある

という要素もほしいところです。

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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蝿の王 (集英社文庫)

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蝿の王』+『そして誰もいなくなった』、という感じでいけば、面白いものが出来るかもしれませんね。


ミステリ仕立てでなく、外部から敵が襲ってくるホラー仕立てにするのであれば、武器や衣装などにひと工夫ほしいところです。『バーニング』のバンボロみたいな演出があるといいですね。


でもホラー仕立てだと、全員が殺されて終わりではラストが締まらないし、1日に3人ずつ殺害して6日間もかかるのでは間延びしすぎです。ここはやっぱりミステリ仕立ての方が面白いでしょうね。


狂った教師が子どもたちを監禁し、1日に3人ずつ殺していって「さぁ、あと何人か計算してごらん……」とかいうサイコホラーも悪くはないかもしれませんが、最後はやっぱり子どもたちの逆襲に遭ってマッドティーチャーが倒されるんだろうなぁ。いずれにせよ、この男性教諭(45)に生き残る目はなさそうですね。