トラウマ映画館

仙台では七夕祭りたけなわですが、ぼくはそういう混雑する場所が苦手で、もう10年以上いちども足を踏み入れていないので、お祭りとは関係なく今日のネタはこちら。


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100806-OYT1T01026.htm

小学校授業でホラー映画、体調不良訴える児童も

 福岡県芦屋町立山鹿小(筒井信秋校長、467人)で7月中旬、40歳代男性教諭が6年生の授業時間に、殺人など残酷なシーンが多く含まれる映画を上映していたことが分かった。


 児童1人がショックで「眠れない」などと訴え、町教委は「授業時間に見せたのは、配慮に欠ける」として教諭に厳重注意する。

 学校によると、映画を見たのは児童22人(11、12歳)。担任の男性教諭がDVDを持ち込み、7月13日に放送室のスクリーンで同姓の人が次々と殺害される「リアル鬼ごっこ」、16日に教室のテレビモニターで「輪廻(りんね)」を見せた。「輪廻」は授業時間内に見終わらず、給食時間にもかかった。

 「輪廻」は少年少女らがナイフで刺され、血が噴き出す場面などが続く。映画界が自主的につくる映画倫理委員会は、12歳未満が劇場で見る場合は保護者の助言・指導が必要な「PG12」に指定している。

 教諭は、1学期のカリキュラムを終えていたため映画上映を計画。「頑張ったごほうびに」と見たい映画を尋ねたところ、児童らがホラーを希望した。20日夜にPTAが6年生を対象に体育館でホラー映画を見たり暗い校舎内を歩いたりする肝試し大会を予定していたこともあり、2作品を選んだという。

 その後、体調を崩した児童がいるとの情報を受け学校は各家庭を訪問。眠れないなどと訴え急性ストレス反応と診断された児童がいることを確認した。

 今月1日に緊急保護者会を開き、筒井校長と教諭が経過を説明、謝罪した。保護者からは「行き過ぎ」との批判の一方、「子どもが見たいと言ったのだからいいのでは」との意見もあったという。

 筒井校長は「教諭は『配慮が足りなかった』と反省している。恐怖をあおるものを学校で上映しないよう指導する」と話している。

 子どものトラウマに詳しい久留一郎・鹿児島純心女子大大学院教授(臨床心理学)は「恐怖の受け取り方は個人差が大きい。ナイフを見るだけでフラッシュバックが起きたり、眠れなくなったりする子どもが出る危険性もあり、学校で見せるのはふさわしくない」と指摘している。

輪廻 プレミアム・エディション [DVD]

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ホラー映画を観て「怖くて眠れない」というのはきわめて正常な反応だと思います。
保護者からの「行き過ぎ」という批判が何を指しているのか、ぼくにはちょっとわからないですね。映画が怖すぎた、ということなのか、学校で映画を見せることそのものがマズいというのか。校長による反省の弁もただテンプレをなぞっているだけにしか読めないし、「子どものトラウマに詳しい」という教授の話も、これじゃ子どもには何も見せられないことになってしまいます。そんなに子どもを純粋培養しようとしたって、成長する過程で必ずダーティな世界に触れることになると思うんだけどなぁ。だいたい、映画とトラウマは切っても切り離せないでしょう。
小説すばる 2010年 08月号 [雑誌]

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ぼくのトラウマ映画

首チョンパ映画の金字塔。今は大好きな作品だが、子どものころは正視できなかった。

  • 『キャリー』

ラストのアレやプロムでのナニもさることながら、最初のシャワーシーンでキャリーが出血するところ。初めて観たときは子どもだったので意味がわからず、怖かった。

  • 『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』

ギャオスが人間を「握りつぶして」から食べるところ。動物っぽくて生々しかった。

  • 『この子の七つのお祝いに』

この子の七つのお祝いに [VHS]

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岩下志麻のセーラー服、血の海に眠る岸田今日子増村保造の最後の作品なのになぜDVD化されないのだ。